映画コンフィデンスマンJP プリンセス編ネタバレ・考察

「コンフィデンスマンJP プリンセス編」は、人気ドラマシリーズ「コンフィデンスマンJP」の劇場版第2弾で、2020年7月23日に公開されました

メインキャストは第1弾と変わらず、長澤まさみ東出昌大小日向文世の3人で、前作同様に脚本は古沢良太、監督は田中亮が務めました。

この作品は、マレーシアのランカウイ島を舞台に、ダー子・ボクちゃん・リチャードの詐欺師トリオが華麗なコンゲーム(騙し合い)を仕掛ける痛快コメディー映画です。

今回は「コンフィデンスマンJP プリンセス編」から映画のネタバレ・考察、あらすじや作品の裏話をどどんと紹介していきたいと思います!!

コンフィデンスマンJP プリンセス編(2020年)

世界的な大富豪・フウ一族の当主、レイモンド・フウ(北大路欣也)が他界するところから物語は始まる。

彼には長女のブリジット(ビビアン・スー)、長男のクリストファー(古川雄大)、次男のアンドリュー(白濱亜嵐)という3人の子供がいた。

しかしこの3人は決して仲が良いわけではなく、レイモンドが残した10兆円にも及ぶ莫大な遺産を誰が手にするか、という事で激しい火花を散らしているのであった。

そんな中、執事のトニー(柴田恭兵)が読み上げた遺言書には、驚きの事実が書かれていた。

その内容とは、レイモンドの隠し子である“ミシェル”という女性に全財産を託すという衝撃の内容であったのだ。

早速、誰もその存在を知らないミシェル探しが始まり、お金に目がくらんだ人々は次々に名乗りを上げる。

一方、日本にもその話は流れ込み、信用詐欺師であるダー子(長澤まさみ)、ボクちゃん(東出昌大)、リチャード(小日向文世)も行動を開始するが…。

コンフィデンスマンJP プリンセス編(ネタバレ・考察)

映画には撮影秘話など面白いエピソードが付きものです

「コンフィデンスマンJP プリンセス編」にはどんな小話があるのでしょう?

前作よりもパワーアップ!のロケ地!!

映画「コンフィデンスマンJP プリンセス編」の舞台はマレーシアのランカウイ島です。

ランカウイ島は、マレーシア北西部のアンダマン海にある島で、島にまつわる様々な伝説が残る事から“伝説の島”とも呼ばれています。

豪華なホテル、限りなく透き通った海、美しい青空、などなどまさに南国!といった言葉が相応しいとても綺麗な島です。

劇場版第1弾の舞台は香港でした。

香港の美しい夜景や街並み、そして美味しそうな食べ物などもとても魅力的でしたが、劇場版第2弾のこの作品は圧倒的にスケール感が違います

「お金かかってるな!」という感じがひしひしと伝わってきて、前作よりもパワーアップしている事は確かです。

映画を観ているだけでリゾート地に行ったような気分にもなれるので、そこも要注目です!!

地元の言葉でランは鷲、カウイは大理石を意味しているのだそうですよ!
島全体がマレーシア初の世界ジオパークとしても認定されている非常に美しい島です!

謎の男役であの人が登場!!

「コンフィデンスマンJP 」といえば、ドラマシリーズ時代から俳優陣が豪華!というのが一つの特徴です。

劇場版第2弾の「コンフィデンスマンJP プリンセス編」も豪華俳優のオンパレードで楽しめる事間違いなしの映画となっています

そして一番の驚きポイントは、謎の男役で“あの人”が登場するところです

その正体は何とGACKT!!

シンガーソングライター、俳優、そして実業家としての一面も持つ彼。

ダー子と、今作品でダー子の弟子となるコックリを追っ手から助ける役で登場します。

出演シーンは本当に一瞬なので、ファンの方は要チェックです!!

主題歌は“ヒゲダン”が続投!!

NHKの紅白歌合戦にも二度出場を果たし、若者を中心に絶大な人気を誇るヒゲダンことOfficial髭男dism

ドラマシリーズ、劇場版第1弾と主題歌を担当してきた彼らですが、劇場版第2弾でも彼らの音楽が映画に彩りを添えています

主題歌は「Laughter(ラフター)」という楽曲で、歌詞も音楽も「コンフィデンスマンJP 」の世界観にとてもマッチしており最高です!

「Laughter」とは本来“笑い声”という意味があります。

ヒゲダンのボーカルで、作詞作曲を主に担当している藤原さんはラジオに出演した際、こんな事を語っていたそうです。

「みんなが心の底から笑えることを、人生の真ん中に持ってこれるように生きてってほしいなってすごく思った」と。

「コンフィデンスマンJP 」は本来、詐欺師達による騙し合いが面白さの核となっていますが、今回の劇場版では珍しく“感動”の要素もラストシーンで余す事なく描かれているのです。

「Laughter」の歌詞の中で“自分自身に勝利を告げるための歌”という一節があります。

これは恵まれない境遇の中、偶然ダー子に助けられ、後にフウ一族の当主となる、コックリの心情を表した一節と呼べるのではないでしょうか。

コックリがフウ一族の党首になれた理由とは?

コックリは詐欺師だった親を亡くし、悪徳詐欺師のヤマンバに引き取られ、虐待を受けるなど劣悪な環境で生きていました

何にでもコクリと頷く事からコックリと呼ばれていた彼女ですが、ダー子の弟子になり彼女の人生は劇的に変化していきます。

何故、コックリはフウ一族の党首となれたのでしょう?そこを考察していきます。

コックリの純粋さと、ひたむきな努力

コックリは自分が恵まれない環境で生きてきた事から、人一倍他人の痛みのわかる優しい女性です。

フウ一族の長女であるブリジットが本当は絵画がとても好きである事、長男のクリストファーが昆虫博士になりたかった事、次男のアンドリューが男性が好きである事。

コックリはその純粋さや優しさから知らず知らずのうちに、彼らの本音を引き出し、フウ一族の氷のように閉ざされた心を溶かしていくのです。

本当は仲違いなどしたくない事、遺産の事で揉めたりしたくない事、コックリは全てわかっていました。

後のレイモンドの手紙からもわかるように、フウ一族の3兄妹はただ父親に愛してほしく、自分の心に素直に生きたかっただけなのです。

それはフウ一族の執事であるトニーにもいえる事でした。

トニーはコックリが本物のミシェルでない事に気付きますが、コックリを党首として支えていく事を心に固く誓います。

「私達は何にでもなれる。本物も偽者もない。信じればそれが真実。」

ダー子のこの言葉が全てを物語っています。

コックリは何ヶ月間も言語の勉強やダンスなどなど、本物のミシェルとなる為に、血の滲むような頑張りを見せました

コックリがフウ一族の党首となれたのは、彼女がその純粋さからたくさんのものを吸収し、誰よりも努力したからでしょう。

その彼女の努力を惜しまない姿勢がフウ一族の3兄妹と、執事であるトニーの心を動かしたのです。

トニー役を演じた柴田恭平は、素敵に年齢を重ねているな、という印象の強い俳優さんの一人ですね。彼にトニー役はぴったりでした!

コックリの勇敢な姿勢に皆が心を打たれた

新党首であるコックリ(ミシェル)のお披露目パーティの時に、アンドリューを人質にとり、体に爆弾を巻きつけた男が乱入します

男はフウ一族に恨みを持つ人物で、フウ一族の者を巻き込んで自爆しようと考えていました。

そんな中、コックリは一人で男の元へと歩み寄ります。

男が爆弾を巻きつけているにも関わらず、怖がる様子も見せず堂々とコックリは男の前に出ていったのです。

皆がおののいている中、勇敢に前に出たコックリの姿はフウ一族の党首になるものとして立派なものでした

この一連の出来事があったからこそ、コックリは党首になれたのです。

コックリの勇気ある行動は、皆を驚かせたと同時に“党首にふさわしい”と皆が思える勇敢な行動だったといえます。

コックリ役を演じた関水渚は、映画「町田くんの世界」で1,000人を越えるオーディションの中からヒロインに選ばれた今注目の女優さんです!

「コンフィデンスマンJP プリンセス編」が愛される理由とは?

この作品はコックリが劣悪な環境を抜け出し、本物のプリンセスとなっていく物語です。

一種のシンデレラ・ストーリーといってもいいでしょう。

「コンフィデンスマンJP 」はコメディー色が強く、幾重にも張り巡らされた伏線が最後に一気に回収されていくので、そこが面白さのポイントです。

これは脚本家の古沢良太の力量が非常に大きいといえるでしょう。

しかしこの作品にはもう一つ愛すべき大きなポイントがあるのです。

普段の「コンフィデンスマンJP 」にはラストにどんでん返しに続く大どんでん返しがあります。

しかし「コンフィデンスマンJP プリンセス編」のラストではどんでん返しというよりは“感動”を呼ぶシーンが珍しく多く用いられています。

このギャップに心を持っていかれた観客も多いのではないでしょうか。

ただのコメディーで終わらせない、上質な感動を呼ぶ映画として「コンフィデンスマンJP プリンセス編」は愛される作品となっているのです。

そして、この物語の偉大な貢献者として三浦春馬竹内結子という二人の俳優の名前が挙げられます。

この映画は二人の遺作となってしまいましたが、三浦春馬と竹内結子がいなければ、この作品は成り立たなかったでしょう

二人の偉大な俳優に心からの拍手とお悔やみを申し上げます。

ラストシーンに着目!!

この映画のラストは実は前作の「コンフィデンスマンJP ロマンス編」と繋がりを持っています。

「コンフィデンスマンJP ロマンス編」の舞台である香港のとある店で、ダー子たちは中華料理を食べていました。

跡取りがいないので店を閉めるという店主にダー子はこんなアドバイスをするのです

「架空の隠し子がいると言えば、店を狙った詐欺師が集まってくる。その中から一番良さそうなのを選ぶと、きっと本物の跡取りよりずっと出来が良いはず」と。

この意見になるほど!と感銘を受けたのがフウ一族の亡き党首であるレイモンド・フウだったのです

ダー子の肩を叩き店を後にするレイモンド。

つまりミシェルという隠し子など本来は実在せず、全てレイモンドの作り話だったのです

最後に見事にミシェルにまつわる伏線が回収され、この伏線回収にはお見事!と思わず言いたくなるラストとなっています。

皆、レイモンドの掌の上で踊らされていたというわけです。

この出来事を考えると、一番のコンフィデンスマンと呼べるのはレイモンドだったのだといえます。

まとめ

以上、「コンフィデンスマンJP プリンセス編」のネタバレ・考察、あらすじ小話を紹介してきましたが、如何でしたでしょうか!?

まだ公開日等は未定ですが、劇場版第3弾となる「コンフィデンスマンJP 英雄編」の製作も決まりノリにのっているこのシリーズ。

未観賞の方はぜひ「コンフィデンスマンJP 」の世界に浸って思う存分騙されてください!!

何度でも観返したくなる上質の映画作品となっています。

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