「翔んで埼玉」は漫画「パタリロ!」などで知られる漫画家・魔夜峰央原作の同名映画です。
二階堂ふみとGACKTのW主演など豪華キャスト満載の痛快コメディ映画で、第43回日本アカデミー賞で数々の部門を受賞しました。
今回は映画「翔んで埼玉」のネタバレ・考察、あらすじなどを映画にまつわる小話などを交えながら紹介していきたいと思います!!
翔んで埼玉(2019年)
時は19XX年。埼玉県民は東京都民からひどい迫害を受け、蔑まれながら生きていた。
そんなある日、東京のトップ高校である白鵬堂学院に、アメリカ帰りの容姿端麗な転校生・麻実麗(GACKT)が転校してくる。
東京都知事の息子で生徒会長の壇ノ浦百美(二階堂ふみ)は最初は麗の事を疎ましく思うが、ひょんな事から百美は麗に恋をするのであった。
互いに惹かれあっていく百美と麗だが、ある時麗が埼玉県民である事が判明し、事態は埼玉だけでなく千葉やその他の県をも巻き込んだ闘いへと発見していき…。
翔んで埼玉(ネタバレ・考察)
出典 : toei.co.jp
奇抜な発想と独特のストーリー展開で、日本中でブームを巻き起こした「翔んで埼玉」。
そんな「翔んで埼玉」にまつわる小話を紹介していきましょう。
「翔んで埼玉」の原作は埼玉で一番売れている!
「翔んで埼玉」の原作である魔夜峰央作の漫画は全国の書店の中でも、何と埼玉の書店での売上が一番いいのだとか!
「翔んで埼玉」は決して埼玉をディスるだけでなく、いい所も全部含めて強烈な埼玉いじりとして作品が成り立っています。
そこが埼玉県民の方の心をくすぐるのでしょうか!?
そして「翔んで埼玉」の執筆中、作者の魔夜峰央は埼玉県所沢市に住んでいたのだそうです。
「翔んで埼玉」を埼玉県内の映画館で観ると上映後に拍手が起こる!?
「翔んで埼玉」を埼玉県内の映画館で鑑賞すると、上映終了後に歓喜の拍手が起こるという、まるで都市伝説のような不思議な現象が起こったそうです。
これは埼玉県内のどの映画館にも共通して起こった事らしく、「翔んで埼玉」はそれほど面白い作品だという事の証明といえるでしょう。
この拍手の理由はやはり、埼玉の事を“よくぞここまで追求してくれた!”という埼玉県民の方の感動・感銘からくる拍手といえます。
スタンディングオベーションとまではいかなくとも、埼玉県の方々はこの作品に心からの敬意・感謝を表したのです。
埼玉あるある部分では同じ箇所でどっと笑いが起きたりと、埼玉県の方の心を鷲掴みにしたというわけなのですね!
「翔んで埼玉」は海外でも大反響だった!
「翔んで埼玉」は第21回ウディネ・ファーイースト映画祭というイタリアの名誉ある映画祭で、マイ・ムービーズ賞を受賞するというという輝かしい栄光を手にしました。
そしてアメリカ・シカゴで行われたアジアン・ポップアップ・シネマでも観客賞を受賞するなどすごい経歴をもつ映画なんです!
オープニングから始終笑い声が絶えなかったとの事で、やはり地域格差ネタは万国共通なのですね!
イタリアでは上映後の会場で、武内英樹監督へのサイン攻めが止まらなかったというエピソードもあります。
「翔んで埼玉」の魅力
出典 : fujitv-view.jp
全国で大ヒットした「翔んで埼玉」ですが、埼玉をただディスるだけではないこの映画の魅力とはどこにあるのでしょう?
その秘密を探っていきましょう。
原作にはない二部構成を取り入れている
映画「翔んで埼玉」は原作とは違うテイストで話が進んでいきます。
“現代パート”と“都市伝説パート”の二部構成で成り立っているのです。
この二部構成が作品に緩急を持たせる、いい味わいをもたらしています。
都市伝説パートだけだと観客は置いてけぼり感を感じる部分も無きにしもあらずでしょう。
しかし現代パートが存在する事で、観客ははっと、我にかえる事ができるのです。
郷土愛に溢れた作品
映画を観ていて、「うちの県もディスってほしい、いじってほしい」と思われた方も少なからずいるのではないでしょうか?
それこそが郷土愛なのです。
日本人は自虐ネタが好きな傾向が強いように思えます。
この「翔んで埼玉」のディスりは並々ならぬ郷土愛なのです。
豪華なキャストに注目!!
出典 : eiga.com
宝塚のような派手な衣装、強烈な登場人物の個性、「翔んで埼玉」のキャストは豪華絢爛といっても過言ではないでしょう。
キャストの魅力に迫っていきます!!
二階堂ふみという女優の魅力
その時その時によって全く別の魅力を見せてくれる、女優・二階堂ふみ。
カメレオン俳優ならぬ、カメレオン女優といってもいいのでは?というくらい、役によって印象が違う女優さんです。
「翔んで埼玉」では可愛らしい外見を封印して、強烈な個性を持つ、壇ノ浦百美を好演していました。
初めての男装チャレンジとの事ですが、この役は二階堂ふみさんでしか演じられなかったのでは?というくらいハマリ役でした。
2020年度前期の朝ドラ「エール」では主人公の窪田正孝を献身的に支える妻・音という役どころでフレッシュな演技を見せています。
「翔んで埼玉」でも大活躍だった彼女。
GACKTと伊勢谷友介が見せる美しさ
この映画の一番の衝撃は、GACKTと伊勢谷友介のキスシーンではないでしょうか!?
この映画は何気にボーイズラブをテーマとしていて、二階堂ふみ演じる百美も実は男性の設定なのです。
GACKTと伊勢谷友介のキスシ-ンは百美の妄想ではあるものの、いやはや美しい二人が演じるとさすが絵になるものですね!
映画を盛り上げる為、GACKTが自ら提案したというこのシーン、実に衝撃的な場面となっています。
最初は“高校生役は無理があるのではないか”との考えからオファーを断ったというGACKT。
しかしGACKTが魔夜峰央のファンであるという事や、細かな設定の面白さから出演承諾に至りました。
伊勢谷友介もその独特な存在感と確かな演技力で地位を得てきた実力派俳優です。
GACKTと伊勢谷友介、二人が並んでいるだけでも絵になりますね!!
ユーモア溢れる各県のディスり
出典 : kiyoken.com
いじりに強烈な愛情が感じられる「翔んで埼玉」。
思わずくすっと笑ってしまいそうになるそのディスりを各県ごとに紹介していきましょう。
埼玉編
<恐怖の感染症!サイタマラリア!!>
サイタマラリアって何!?と思えるようなこの不思議なワード。
サイタマラリアとは春日部蚊と呼ばれる、蚊の一種によって媒介される感染症です。
この感染症は埼玉特有の熱病で、症状としては身体に“さ”の形の発疹が出現するという何とも恐ろしい病気なんです!
手当てが遅れると重症化する事もあります。
映画内では百美がサイタマラリアにかかってしまうという重大な事態が起こります。
しかし何て事でしょう!作中では埼玉には医者がおらず存在するのは祈祷者のみ…。
恐るべし、サイタマラリア…!!
<埼玉県民はシラコバト焼印の草加せんべいが踏めない!?>
シラコバトは埼玉県の県鳥です。
昭和31年に“越谷のシラコバト”として国の天然記念物に指定されました。そして昭和40年11月3日に“県民の鳥”として認定されたわけです。
とっても可愛らしい姿のシラコバトなので、“コバトン”という埼玉県のマスコットキャラクターにもなっています。
そんな可愛いシラコバト焼印の草加せんべいを踏めるか踏めないかで、映画内では一悶着が起きます。
GACKT演じる麗が、埼玉県民であるかないかの証明の為、シラコバト焼印の草加せんべいを踏まされそうになるのです。
埼玉県民の方はやはり映画内同様、踏めないのでしょうか!?
気になるところですね!!
千葉編
<身体中の穴という穴にピーナッツを詰められる!?>
似たような境遇から、何かと揉め事の多い埼玉県と千葉県。
流山橋を挟んで埼玉解放戦線と千葉解放戦線の戦い(埼玉と千葉の有名人出身地バトル)まで起きました。
そんな千葉からは、こんな情報も映画内容を通して出てきました。
捕まると身体中の穴にピーナッツを詰められてしまうという何とも恐ろしい拷問が待っているのです。
そして、その拷問が終わったら、九十九里浜で地引網漁を手伝わされてしまうという恐怖の仕打ちが…!
埼玉県と匹敵するあたり、なかなか侮れない千葉県ですね…!!
群馬編
<国土交通省が命の保証を一切しない看板がある!?>
映画の中で秘境の地として描かれ、恐竜なんかも登場してしまう未開の地として描かれている群馬県。
国が命の保証を一切しないなんて、まるで今年公開された(2020年6月現在)「犬鳴村」のようではないですか!
百美が群馬県に迷い込むシーンが映画内で登場しますが、まさに危険と隣り合わせ!といった感じでしたね。
神奈川編
<崎陽軒の醤油ボトルひょうちゃん>
崎陽軒といえばシュウマイ、シュウマイといえばひょうちゃんというくらい、崎陽軒のシュウマイ弁当は世に浸透しているのではないでしょうか?
百美の父親も映画内でひょうちゃんをコレクションしていましたよね。
埼玉デュークが百美と共に襲撃されるシーンで、ひょうちゃんが落ちていた事から、刺客が神奈川の者だとわかるところは個人的に爆笑でした。
東京編
<23区外の田無、八王子、青梅はEクラス以下>
麗と百美が通う学校は住んでいる土地によって、待遇が違ってきます。
その中でも東京なのに田無、八王子、青梅は東京とはみなされない、何とも悲しい待遇が待ち受けているのです。
ちなみに東京には青梅という地名もありますが、青海(あおみ)という似た地名があるのはご存知ですか?
青海は江東区に属し、近くにはお台場も!!
青梅と青海、似た地名なのにこれは悲しすぎます!!
はなわが歌うエンディングにも注目!!
ひたすら埼玉をディスった内容の歌なのですが、これが面白すぎるんです!
♪ダンダンダンダンダンダン♪というフレーズが頭から離れなくなります。
そしてこのエンディングを歌うはなわの故郷は佐賀として有名ですが、生まれた場所は春日部という強烈なオチも待っています!
まとめ
以上、「翔んで埼玉」のネタバレ・考察、あらすじから小話まで書いてきましたが如何でしたでしょうか!?
埼玉の事を徹底的にディスりながらもこんなに一つの事を追求した作品は、やはり埼玉を心から愛しているからこそなのでしょうね!
最近、心から笑ってないな…と感じる人はぜひこの作品を観てください!
大爆笑する事間違いなしです!!
何度でも観たくなる、郷土愛溢れた作品がこの「翔んで埼玉」という映画といえます。