プリティーウーマンネタバレ考察

「プリティ・ウーマン」は1990年に公開されたアメリカのロマンティック・コメディ映画になります。

まだ新人だった頃のジュリア・ロバーツと、すでに大スターとして評価されていたリチャード・ギアが共演し、ジュリア・ロバーツの出世作となった作品です。

古典的な流れを汲むシンデレラストーリーとしての内容はもちろん、人間の成長や変化の機微を描いた映画として評価が高く、最も売れたラブコメとして記録されています。

ラブコメ映画の金字塔として燦然と輝く本作のトリビアや考察をお伝えしていきますので、最後までチェックしていってください。

プリティ・ウーマン(1990年)

ビバリーヒルズの路上で偶然知り合った実業家のエドワード(リチャード・ギア)と売春婦のヴィヴィアン(ジュリア・ロバーツ)が織りなすシンデレラ・ストーリー。

街で困っていたところをヴィヴィアンに助けられ、興味を持ったエドワードは一晩の関係を持ちかける。

気高い気位を持つと同時に、無邪気な面もみせる彼女を気に入ったエドワードは、3000ドルで6日間一緒にいてもらうことを契約する。

ビジネスのディナーに同席するためにドレスとテーブルマナーを身に着け、精一杯努力するヴィヴィアンと、その美しい変化を驚き楽しむエドワード。

夜ごとに語り合い、お互いのことをより知るうちに、二人は本当の恋に落ちていくが、同時に身分の違いも感じてしまう。

白馬の王子様に迎えに来てほしいヴィヴィアンのもとに、エドワードは現れるのだろうか…?

プリティ・ウーマン(ネタバレ・考察)

「プリティ・ウーマン」には隠されたトリビアが豊富にあります。

明日の小話のネタに使えるようなトリビアを取り揃えていますので、ぜひ知識欲を満たしたうえで活用してください。

「プリティ・ウーマン」はディズニー映画

配給のブエナ・ビスタ・ピクチャーズはもともとディズニーの映画部門の一部でした。

現在はウォルト・ディズニー・スタジオ・モーション・ピクチャーズという名称になり、2007年にブエナ・ビスタブランドは消滅。

ハッピーエンドになったのも、ディズニー作品ということが関係しているのかもしれません。

名称の由来はディズニー本社がある通り(カリフォルニア州バーバンクのブエナ・ビスタ通り)から取られているのです。

映画のオリジナルタイトルは別にあった

本作の元のタイトルは、エドワードとヴィヴィアンの契約金額にちなみ、「$3000」となるはずでした。

ですがディズニー配下の制作会社であるタッチストーン・ピクチャーズの重役がロマンティックではないという理由でこのタイトルを拒否し、「プリティ・ウーマン」に決まりました。

確かに「$3000」だとパッと恋愛映画というイメージが思いつかないですし、テーマソングにもそぐわないのでこれは賢明な判断だったのでしょう。

初期アイデアではヴィヴィアンは死ぬ予定だった

最初期のアイデアではヴィヴィアンは薬物中毒者で、エドワードと別れたあとにオーバードースで死ぬ予定でした。

ですがおとぎ話でプリンセスのお話であると言うことにこだわったトップが周囲を説き伏せ、無事ハッピーエンドになったのです。

もしも原案どおりだったらディズニー映画初のオーバードース死のヒロインとして名前が残ったでしょうが、ここまでは売れなかったと思います。

モデルとなったホテルであなたも「プリティ・ウーマン」体験?

ハリウッドにあるビバリー・ウィルシャー・フォーシーズンズがホテルのモデルですが、映画ファンはこのホテルをよく訪れている様子。

ただし最上階のスイートは1泊100万円を超えるので、エドワードの気分になるには彼くらい稼がないといけないかもしれません。

なお普通の部屋であれば5万円から泊まれるうえに最高級のサービスをうけられるので、ファンならこちらのプランを選ぶのがいいでしょう。

ピアノシーンはリチャード・ギアの演奏&作曲

ホテルのラウンジでピアノを演奏するエドワードのシーンは、実際にリチャード・ギアが弾いています。

しかもこの曲は彼のオリジナル曲。エンドロールの楽曲紹介で「リチャード・ギアのピアノソロ」と紹介されているのです。

ダンディなだけではなく多彩なところも見せる名役者といえます。

宝石箱を閉めるシーンはリチャード・ギアのアドリブ

宝石に触れようとした際に宝石箱でヴィヴィアンの手を挟むシーンはリチャード・ギアのアドリブになります。

このときにジュリア・ロバーツが見せる輝くようなナチュラルな笑顔はアドリブならではの美しさです。

ヴィヴィアンが身につけた宝石は本物

オペラを見に行く際にヴィヴィアンが身につけた豪華なネックレスは3000万円する本物のジュエリーでした。

そのため撮影シーンはすべてボディガードが監視する中で進行したそうです。

ホテルの支配人が見せてくれた気配り

最初は上客のお遊びだと思って対応していたヴィヴィアンに対し、彼女の人柄を知ることで親身になってレディの嗜みをレクチャーしていくバーニー支配人はこの恋物語の影の功労者です。

人を見る目があり、心根も優しい彼のアシストについて考察していきます。

支配人は最高級のサービスを提供する

ホテルの支配人は全部署の動きを把握し、顧客に対して最大限のサービスを提供するホテルのトップです。

特に最上級の顧客であるエドワードに対してベストを尽くすのがホテルマンとしての彼の努めになります。

誠実に顧客の求めることを考えたときに取った行動が、ベストの結果を生んでいることからも、バーニー支配人の能力の高さが伺えます。

人の本質を汲み取るのがうまい

ヴィヴィアンから助けを求められたときも、的確な手配で婦人服を用意させ、テーブルマナーをレクチャーします。

もちろんエドワードのためということを考えていることもありますが、助けを求めるヴィヴィアンのなかにある実直さにいち早く気づいたことも一因でしょう。

立派な淑女としてヴィヴィアンをドレスアップさせたとき、バーニーは満足そうな笑みを浮かべるのです。

シンデレラで言うところの魔法使いのような存在が、バーニーだといえます。

オペラ「椿姫」を見せたエドワードの真意

プライベートジェットでドレスアップした二人がオペラを鑑賞しに行くシーンがあります。

演目は「椿姫」で、娼婦と金持ちの純愛を描いた作品になるのですが、なぜエドワードはヴィヴィアンに「椿姫」を観せたのでしょうか。

エドの思惑と、ヴィヴィアンがラストに受けた感激について考察していきます。

親しみやすい題材だったから

前述の通り、「椿姫」は娼婦の純愛をテーマにした作品だったので、わかりやすかったのでしょう。

またオペラは言語を超えた芸術ということもエドワードは伝えており、オペラを最高の状態で体験させてあげたかったというのがエドワードの思惑だと思います。

ヴィヴィアンはオペラの内容に感激し、この狙いは思い通りになりました。

「椿姫」ってメジャーな作品なんですね!
世界のオペラ劇場の中でも最も上演回数が多い作品の一つに数えられるほどです!

ヴィヴィアンへの思いを告げたかった

娼婦であるヴィオレッタに対して真摯な愛を持ち続けるアルフレードの姿に、エドワードは自分を重ねていたのだと思います。

ヴィヴィアンをこのときにすでに好きになっていたと考えるのが、適切ではないでしょうか。

純粋にオペラを楽しんでもらいたいという気持ちと、オペラを使った告白のメッセージを兼ねていたと考察します。

エンディングをハッピーに包むクライマックスシーン

エドワードがヴィヴィアンをリムジンで迎えに行き、高所恐怖症にも関わらず非常階段を登るシーンでは「椿姫」の「私を愛して」が流れます。

この音楽の妙を見ても「椿姫」が重要な役割を果たしているとわかるでしょう。

「椿姫」は悲しいエンディングを迎えますが、「プリティ・ウーマン」ではハッピーエンドを迎えます。

ディズニーらしいおとぎ話が完成し、観客はこぞってこのエンディングを支持したのです。

エドワードが買った花束の意味

リムジンの運転手に、ヴィヴィアンの家へ向かうように指示したエドワードは、途中で花束を買っていきます。

この花束に込められているメッセージを読み解いていきましょう。

バラの花束にこめられた意味とは

バラの花言葉は「あなたを愛しています」です。告白の際にこれほど効果的な花は他にないでしょう。

エドワードは花言葉を知っていて、改めてヴィヴィアンに告白するためにこの花を選んだのだと思います。

6日間という短い間ながら、一緒にいたことでエドワードとヴィヴィアンの間にはお互いを思いやり、信頼する関係が出来ていたのでしょう。

人の愛し方が分からなかったエドワードは、ヴィヴィアンという存在を喪失して初めてその重要さに気がついたのです。

本当に必要だと感じたエドワードは、彼女を迎えに行く決心をします

その気持ちの表れがバラの花束だったのです。

バラの本数による花言葉の変化

バラは本数でメッセージが変わるというのをご存知でしょうか。

エドワードの持っておる花束は6本で、これは「お互いに敬い、愛し、分かち合いましょう」という意味になります。

人としての優しさを知ることができたエドワードと、自分への愛を受け止めたヴィヴィアンの二人にはぴったりの言葉なのです。

お姫様として迎え入れられたヴィヴィアンは、幸せな人生を過ごしたでしょう。

どこを取っても完璧なハッピーエンドの構成になっており、史上最も売れたラブコメというのも納得の仕上がりです。

エドワードは本数まで計算して買っていないですよね?
バラの花を買うのが重要で、本数は演出として仕組んであったと推測できます。

まとめ

本当の意味で女性を愛したことがないエドワードと、優れた資質を持っていながら環境に恵まれていなかったヴィヴィアンの恋は、6日間で劇的に実っていきます。

ハンサムで金持ちだけれど寂しさを隠せず、満たされない心を持て余していた彼を、ヴィヴィアンの純粋な心が溶かしていく様は何度観てもキュンキュンするのです。

劇中に織り込まれているメッセージを読み解くと、より二人の心情の変化を汲み取ることができ、深く楽しめます。

今でも多くのファンの心を掴み続ける不朽の名作となる「プリティ・ウーマン」を、この記事でまた観たくなったら幸いです。

未見の方も損はさせないので、ぜひともご鑑賞ください!

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