
「ヲタクに恋は難しい」は漫画家・ふじた原作の同名漫画を実写映画化したもので、「銀魂」「今日から俺は!!」などの実写化を手掛けた、福田雄一がメガホンを執りました。
本作は、隠れ腐女子のOLを高畑充希、重度のゲームオタクを山﨑賢人が演じ“オタク同士の恋愛”をテーマにしたラブコメディです。
斬新なテーマで話題になった映画「ヲタクに恋は難しい」から映画のネタバレ・考察、あらすじなど一気に紹介していきたいと思います!!
ヲタクに恋は難しい(2020年)
26歳OLの桃瀬成海(高畑充希)は漫画やアニメ、声優やBLをこよなく愛する隠れ腐女子。
成海は周囲の人にオタクである事がばれてしまう“ヲタバレ”を恐れており、家族や友人にもその事実を隠していた。
ある時、成海は転職した会社で幼馴染の二藤宏嵩(山﨑賢人)と再会する。
宏嵩も実は重度のゲームオタクであり、宏嵩は成海にとってオタクである事を隠さなくていい貴重な存在であった。
やがて、オタク同士ならば自分を偽らず、快適に付き合えるのではないかという宏嵩の提案により、二人は付き合う事になるが…。
ヲタクに恋は難しい(ネタバレ・考察)
映画の裏には必ずといっていい程、面白いエピソードや小話が隠されているものです。
「ヲタクに恋は難しい」にはどんな小話が隠されているのでしょう?
人気声優の内田真礼が本人役で登場!!
まややん、まれいちゃん、まれいたその愛称でファンから慕われている大人気声優・内田真礼(うちだまあや)が何と本人役で作品に出演しています!!
「約束のネバーランド」のノーマン役や「中二病でも恋がしたい!」の小鳥遊六花役など数々の作品で実績を残している彼女。
ご本人登場にはファンの方にはたまらなく嬉しいサプライズなのではないでしょうか!?
しかもご本人の持ち歌「ギミー!レボリューション」も作品内で披露しています。
声もルックスもとても愛らしい内田真礼さん。
ファンの方は彼女目当てに映画を観てみるのも有りといえるでしょう!!


山崎賢人の初挑戦に注目!!
「ヲタクに恋は難しい」で見逃せない一つのポイントは、やはりミュージカルシーンでしょう。
この映画で、宏嵩役の山崎賢人は踊りも歌も本格的に挑戦したのは初!だったのだとか。
色々な作品に出演している売れっ子俳優さんなので、このエピソードは意外や意外ですね!
この作品の為に彼はボイストレーニングやダンスレッスンに一生懸命励み、特に苦手とするダンスは練習に練習を重ねたそうです。
その練習の甲斐あってか、広い場所を見ると踊りたくなるほどダンスを好きになったのだとか!
そして歌声については、劇中の音楽を担当した鷺巣詩郎も驚くほどの上達の早さだったそうです。
確かに作品内の彼の歌声は、とても透き通っていて美しかったです!!
ちなみにレコーディングは何と!あの世界的有名アーティスト・ビートルズがレコーディングした事で知られる“Abbey Road Studios”で行われたのだそうですよ!


劇中曲を作ったのはアニソン界の大物達!!
本作品では内田真礼の持ち歌を除いて、何と15曲もの劇中歌が使われています。
作曲を担当したのは、何と!あのアニソン界の巨匠・鷺巣詩郎です。
鷺巣詩郎はSMAPやMISIA、平井堅など様々な有名アーティストに曲を提供している他に、アニメ「エヴァンゲリオン」や「BLEACH」、など超有名なアニメの音楽も多数担当しています。
鷺巣詩郎は大のミュージカル好きでもある事から、今回の福田雄一のオファーを快諾しました。
そして、作詞陣も超豪華!!
「残酷な天使のテーゼ」を筆頭に、多くのアニソンを手掛けてきた及川眠子、そしてアニソンだけにとどまらずTWICEの「TT」や特撮ソングなど、幅広く活躍する藤林聖子が参加!!
アニメやアニソン好きの方はもうこれだけでワクワク・ドキドキなのではないでしょうか!?
福田監督も苦戦!?のオタクカルチャー
今作品で福田監督が一番苦戦したのは、オタクの人、またそうでない人にも観てもらえる映画にするにはどうすればいいか、という事だったそうです。
オタクカルチャーには正直疎かったという福田監督。
ガチのオタクである助監督に“アリ”か“ナシ”かの判定をしてもらったり、成海のヲタ友役で出演した、元・乃木坂46の若月佑美にも相談したそうです。
また、原作者であるふじた先生にも協力をしてもらったり、福田監督自ら“アニメイト”に足を運んでBLの研究をしたのだとか!
こうしてたくさんの人の力が合わさり完成した映画「ヲタクに恋は難しい」。
必見の価値ありの映画です!!


宏嵩の成海への想い
重度のゲームオタクである宏嵩。
普段は無表情で自分の感情をあまり表に出すタイプではありません。
何故、宏嵩は成海に付き合う話を持ちかけたのか?宏嵩の成海への気持ちを考察していきたいと思います。
宏嵩は成海の事が大好き!?
普段、自分の感情をあまり露わにする事のない宏嵩ですが、作品内では成海への“好き”が溢れている描写がところどころに見え隠れしています。
二人でゲームをしている時に、突然キスをして拒まれたり、成海の趣味を理解しようと急にアイドルヲタになってみたり…。
行動が空回りばかりの宏嵩ですが、それは成海に近付きたい、少しでも成海の事を理解したいという宏嵩なりの頑張りなのです。
付き合う事を提案したのも、オタク同士なら気楽に、何も包隠す事なく一緒にいられるからというのは宏嵩なりの口実で、実は宏嵩はずっと成海の事が好きだったのではないでしょうか。
ヲタバレした事で、彼氏にも振られ勤めていた会社まで辞めることになった成海。
彼女の気持ちや彼女の好きなものを守ってあげようと、宏嵩なりの気配りが垣間見えます。
自分なら成海の気持ちを大切にできると、宏嵩なりの最大の優しさが随所に散りばめられているのです。
成海は宏嵩にとって特別な存在
成海と宏嵩は幼馴染という設定ですが、その辺りを踏まえて考えていくと、実は成海は宏嵩の“初恋の相手”という可能性も考えられます。
もしくは宏嵩にとって成海は“忘れられない人”だったのではないかという線も捨てきれません。
でなければ、オタク同士で気楽だからという理由があるにせよ、何とも思っていない女性を口説くような真似はしないのではないでしょうか。
成海が宏嵩の会社に転職してきた事は、宏嵩にとって最大のラッキーな出来事だったといえます。
無表情で感情を表に出す事の少ない宏嵩ですが、内心相当嬉しかったのでは!?という風にも考える事ができます。
そして自分のゲームの趣味を理解してくれる成海の存在は、宏嵩にとっても大切で貴重な存在なのです。


成海と宏嵩の恋は上手くいったのか!?
成海が宏嵩の気持ちを傷つける行動をとってしまうなど、何かとすれ違う二人。
二人の不器用な恋愛は結局のところ上手くいったのでしょうか!?
そこを考察していきたいと思います。
本作における樺倉と花子の役割
成海と宏嵩の恋愛を盛り上げる要素として、斎藤工演じる樺倉と、菜々緒演じる花子の存在は非常に重要な役割を担っています。
樺倉は成海の上司、花子は宏嵩の上司という役どころですが、この二人も実はヲタカップルという最後のオチには思わず笑わずにはいられません。
樺倉が成海の事を気にかけたり、花子がバーで宏嵩に恋愛のアドバイスをするなど「もしかしてこっちとくっついちゃうの!?」と観客をハラハラさせるような場面も。
成海は樺倉に、宏嵩は花子に、家に誘われるシーンは何だかドキドキしましたよね。
しかし実は樺倉と花子は同棲していて、しかもヲタカップル!という展開は予想外でした。
この樺倉と花子の存在が成海と宏嵩の絆をより一層強固なものにしたといってもいいでしょう。
お互いの“好き”を認め合うのに丁度いいスパイスとなったのです。
尊敬しあういい関係に
樺倉と花子の家からの帰り道、成海と宏嵩はお互いの大切さに改めて気付くのでした。
「好きなものを楽しんでいる時の成海が好きだ」という宏嵩のこの台詞は奥深いです。
そして、成海も離れてみて、改めて宏嵩の大切さに気付きます。
大切なのはお互いの趣味や好きなものを尊重しあう事。
そしてそれは決して押し付けあうものや無理強いするものではないという事。
自分を押し殺してまで、相手に合わせるものではないという事。
その事に気付いた二人は、仲良く手を繋いで帰路へとつくのでした。


「ヲタクに恋は難しい」おすすめポイント
この作品の一番の推しポイントは何といっても成海を演じた高畑充希の可愛らしさ!!ではないでしょうか。
服装も仕草もとにかく全部が“可愛い”で溢れているのです。
女性である筆者から見ても、とにかく可愛い!!
成海が自分はオタクであるものの、オタクである男性とは付き合えないという理由は、その見た目と中身のギャップから来ているのではないでしょうか。
ヲタバレした事をきっかけに、歴代彼氏に振られてきた成海。
“オタク”というものに誇りを感じていいのだと思いつつも、数々の失恋から“オタク”はいけない事なのだ、と自分の気持ちに蓋をしてしまっているのです。
それだけ傷ついたり、トラウマになるような嫌な事を経験してきたのでしょう。
だから宏嵩にはせめて普通であってほしかった、と推測できます。
しかし、宏嵩との再会で成海は“好きなものは好きでいいのだ”、“自分は自分でいいのだ”と初めて思えるようになったのです。
これはオタクである、成海と宏嵩が恋愛を通じて成長していく物語でもあるのです。
まとめ
以上、「ヲタクに恋は難しい」から作品のネタバレ・考察、あらすじや作品の小話などご紹介してきましたが如何でしたでしょうか!?
突然ミュージカル調になったりと、驚き要素も多い映画ですが、役者さんを始め、福田雄一監督のチャレンジ精神や本気度がこの映画には詰まっています。
“原作とかけ離れている”との意見もありますが、原作は原作・映画は映画、と全く別物として観てみては如何でしょうか。
漫画やアニメ、声優やコスプレ等々、“オタク”という文化は日本が世界に誇れる最高の文化です!
「ヲタクに恋は難しい」というこの映画。
日本が世界に誇れる“オタク”という文化を改めて「すごい!」と思わせてくれる、そんな“粋”な映画となっています。