
映画「あと1センチの恋」は2014年に公開された、イギリス・ドイツ合作の恋愛映画です。
監督は「ワタシが私を見つけるまで」などの作品を手掛けたクリスチャン・ディッターで、リリー・コリンズとサム・クラフリンが主演を務めました。
本作品は「P.S.アイラヴユー」の原作者セシリア・アハーンの小説「愛は虹の向こうに」を元に、幼馴染の男女が12年間という月日の中で、すれ違いながらも真の愛情を育んでいく物語です。
男女のもどかしい恋愛を描いた「あと1センチの恋」から、映画の考察・ネタバレ、あらすじや作品の小話を作品の魅力満載にご紹介していきたいと思います!!
あと1センチの恋(2014年)
幼馴染のロージー(リリー・コリンズ)とアレックス(サム・クラフリン)は6歳の時からずっと一緒で何でも話せる唯一無二の存在だった。
友達以上、恋人未満の関係である二人は、生まれ育った故郷・イギリスを離れてアメリカの大学に一緒に進学する事を約束していた。
しかし、ある時ロージーがクラスメイトの青年と関係を持ち、子供を身ごもってしまう。
その出来事からロージーは地元に残る事になり、アレックスは一人でアメリカへ進学する事となる。
お互いの気持ちに素直になれず、別々の人生を歩む事になるロージーとアレックス。
運命のいたずらとも呼べる様々な出来事から二人は近付いたり離れたりを繰り返すが…。
あと1センチの恋(ネタバレ・考察)
どんな映画にも、その作品にまつわる小話や裏話、トリビアなどはつきものです。
「あと1センチの恋」にはどんな隠された話があるのでしょう?
主役を演じたリリー・コリンズの父親はあの人!!
主役のロージーを演じたリリー・コリンズ。
彼女の可愛らしい風貌と、愛らしさに男女問わず虜になってしまった人も多いのではないでしょうか!?
実はリリー・コリンズの父親はイギリスの有名ミュージシャン、フィル・コリンズなのです!
リリーはフィル・コリンズの二度目の結婚の時に出来た子供ですが、彼女が5歳の時に両親は離婚してしまいます。
女性に対して奔放な面を持つ父親に対して、リリーは多少の反感も持っているのだとか。
その為、顔も性格も全て母親似だと公言しています。
しかし、父親が世界的に有名なミュージシャンだとは驚きですね!
いつか和解して、女優と歌手、ジャンルは違いますが、親子共演なんてものも見てみたいものです!!


あのシーンはカット寸前だった!?
リリー・コリンズ演じるロージーが“非常事態”に陥るあのシーン。
その非常事態とは、ロージーがアレックスに対するあてつけのように、クラスの人気者・グレッグと関係を持つシーンで起きます。
避妊具がロージーの体内に残ってしまい、慌てて病院で処置をするという何とも衝撃的!?なシーンです。
このシーンはリリー・コリンズがこの映画の撮影の中で最も恥ずかしかったシーンだそうです。
それもそのはず、周りには男性スタッフが5人もいたのです。
そして、このシーンは編集段階でカットされそうにもなったのだとか。
しかし、リリーはこれに対し、強い姿勢で「ノー」を主張し、カット寸前のシーンを守り抜きました。
確かに、自分が一番体を張ったシーンがカットされてしまったら、残念という言葉では足りないくらいショックですよね。
リリー・コリンズの女優魂が垣間見える、貴重なエピソードですね!!


苦労したアドリブシーン
クリスチャン・ディッター監督は、出演者達にわりと自由な雰囲気で、アドリブの演技もやらせてくれたそうです。
しかし、これが逆に大変だったと俳優陣は語っています。
生々しい演技を見せなければいけないと、苦労したアドリブシーンもあったのだとか。
しかしリリー・コリンズは、即興で演じる事はその後どういう状況になるかわからない、人生と同じだと感じたと、インタビューで語っています。
苦労したアドリブシーンも非常に勉強になり、学んだものが大きかったとの事です。


気になる物語のロケ地は?
「あと1センチの恋」のロケ地は主にカナダとアイルランドの首都ダブリンです。
特にラストシーンで、ロージーがオープンさせたホテルの美しさに「ここはどこなのだろう!?」と思われた方も多いのではないでしょうか?
このホテルはアイルランドにある、“タラホール・ハウト”というダブリンの海沿いにあるホテルです。
大自然を見渡せる立地と豪華な内装、本当に素敵なホテルでした。
「あと1センチの恋」のファンなら、聖地巡礼のような感覚でロケ地を回ってみるのもいいかもしれませんね。


なぜ二人は素直になれなかったのか?
近付いては離れ…を繰り返すロージーとアレックス。
なぜ二人はお互いに好き同士でありながら、素直になれなかったのでしょうか?
その理由を探っていきたいと思います。
幼馴染という関係がネックになった
ロージーとアレックスは6歳の頃から常に一緒の存在でした。
何をするにも一緒、非常に大切な幼馴染だったのです。
一緒にいる時間が長いが故に、異性として相手を意識するのが難しい関係にあったのでしょう。
男女の間に友情は成立するのか?という言葉がありますが、ロージーとアレックスも友情と愛情の狭間で揺れていたのです。
大人になるにつれ、その関係性も変わってはきますが、ここで「好き」などという言葉を口にしてしまったらどうなるのか。
二人は自分達が築いてきた関係が壊れてしまうのが怖かったともいえます。
関係が壊れて今のままのようにいられなくなるなら、幼馴染のままでいい、そう判断したのです。


ロージーがキスの事を覚えていなかった
ロージーとアレックスは18歳の時に一度だけキスをします。
しかし、酔いつぶれたロージーはその事実を全く覚えていませんでした。
「思い出しただけで吐きそう」というロージーの言葉にアレックスは勘違いをしてしまったのです。
自分とキスをした事が、そんなに嫌だったのか…と傷つきもしました。
この時にロージーがキスの事を覚えていたら、二人の関係も少しは進展していたのかもしれません。
そしてアレックスにもう少し強引さがあれば、この恋の展開は違う方向へと進んでいたという事も考えられます。


お互いに違う人と関係を持ってしまった
アレックスがべサニーと関係を持った事で、二人の関係性も段々と変化をしていきます。
そして、そのショックからやけになり、ロージーはグレッグと関係を持つのです。
この時点で、ロージーがアレックスの事を好きなのは明白になってきます。
そして、アレックスもべサニーと関係を持った理由は、ロージーが自分に対して“興味がない”という風な態度をとったからといえるのです。
ロージーはアレックスを、アレックスはロージーの事をいつしか恋愛対象として見ていました。
しかし意地の張り合いで、お互いに素直になれなかったのです。
二人のプライドが邪魔をして、結局素直になるのに12年という歳月がかかってしまう事になるのでした。
タイトルに込められた意味とは?
「あと1センチの恋」という何とも、もどかしさを感じるこのタイトル。
このタイトルの意味は、二人の心の距離を示しています。
そして“キスまでの距離”も表しているのではないでしょうか。
実際に作品内では二人の顔が近付いてキスをするのかしないのか…という微妙なシーンが頻繁に出てきます。
そして、ラストもロージーとアレックスのキスシーンで終わります。
あと1センチ近付いて、勇気を出してキスをすればこの恋は成就する、という深い意味がこのタイトルには込められているのです。
ラストのその後は?
12年という長い歳月をかけてロージーとアレックスは結ばれます。
ラストシーンのその後、ロージーとアレックス、そしてその周りを取り囲む人々はどんな風になっていくのでしょうか?
そこを考察していきたいと思います。
幸せな家庭を築くロージーとアレックス
ラストのその後、おそらく二人は結婚するのではないでしょうか。
紆余曲折を経て、やっと想いが通じ合った二人。
周りの人達に支えられながら、温かい家庭を築き上げていくといえます。
そして命を懸けるぐらい、ロージーが大切に育ててきた一人娘のケイティ。
ケイティの実の父親はグレッグです。
アレックスとケイティは血の繋がりはありませんが、実の娘のようにアレックスはケイティの存在を大切にしていくと考えられます。
言葉にはしなくても、小さな頃からアレックスを知っているケイティは、自分の母親の心の中にはいつもアレックスがいる事に気付いていたのではないでしょうか。
ロージー、アレックス、ケイティの3人は家族として幸せになっていくのです。
ケイティとトビーの関係
ロージーの愛娘、ケイティとその幼馴染であるトビーのその後も気になるところです。
二人は両思いなので、いずれ恋人同士となっていくのでしょう。
そしてケイティとトビーはまるで、小さな頃のロージーとアレックスのようです。
ロージーとアレックスは二人が自分達のように遠回りをしないように、時には助言をしたりと二人の存在をそっと見守っていくのではと考えられます。
意地を張り過ぎないように、素直になる時はちゃんと素直になる、などケイティとトビーの恋愛を応援していくのです。
「あと1センチの恋」おすすめポイント
今作品のおすすめポイントは、ロージーとアレックスのもどかしい恋愛がどう成就していくか、という部分です。
しかしこの物語はただの恋愛映画ではありません。
ロージーとその父親の親子愛、そしてロージーとその親友ルビーの友情にも注目してほしいポイントが詰まっています。
恋愛感情、親子の愛情、そして友情の色々な要素が混ざり合ってこの映画に彩りを添えているのです。
そして、ロージー役のリリー・コリンズの可愛らしさにも要注目!の映画となっています。
映画を観終わった頃には、彼女の魅力の虜になっている事間違いなしの作品です!!
まとめ
以上、「あと1センチの恋」から考察・ネタバレ、あらすじや作品の裏話など紹介してきましたが、如何でしたでしょうか!?
この作品は今、恋をしている人、そして素敵な恋をしたいなーという人にも男女問わず観てほしい映画となっています。
恋人同士で観るのにも最適な映画といえるでしょう。
12年という長い月日をかけて結ばれるロージーとアレックスの姿に涙する事必至です!!
そして、映画を観終わった後、“運命”は本当に存在するのかも!?と素敵な気持ちになれる事間違いなしの映画となっています。
観賞後、大切な人に会いたくなる、そんな映画です。
若い人だけでなく、老若男女、恋愛の痛みを知る全ての人に観てほしい心温まる作品となっています。