ホラー映画ハロウィン ネタバレ・考察

「ハロウィン」は1978年に公開をされたスラッシャー・ホラー映画です。

殺人鬼のブギーマンがハロウィンの夜に行うある人物を狙って引き起こす無差別殺人と、そんな彼に対する人々の戦い・逃避行を描いた物語になっています。

「エルム街の悪夢」「悪魔のいけにえ」などと共に世界三大ホラーの一つとも言われていて、ホラー映画の原点とも言える「ハロウィン」。

ホラー映画が好きな人であれば、是非とも見て欲しい映画である「ハロウィン」について様々なネタバレ・考察を併せて紹介していきます。

ハロウィン(1978年)

1963年10月31日のハロウィンの夜。

ハドンフィールドに住むジュディス・マイヤーズが、彼女の弟のマイケルに殺されるという事件が起きる。

わずか6歳の少年の凶行に困惑をした裁判所は、「マイケルを精神病院に隔離し、21歳になったら改めて彼を裁判にかける」という判決を下す事に。

しかしマイケルの担当医となったルーミス医師は、彼は内に邪悪を秘めた危険な人だと確信、警備や拘束を強化すべきだと提案する。

ただ、施設で大人しくしているマイケルを見ている人々は、ルーミス医師の話を信じようとはしなかった。

それから長い月日が経ち、事件から15年後のハロウィン前夜。マイケルは病院で起きた騒動に乗じて車を奪い、肉親の命を奪う為に病院から脱走してしまう。

そして10月31日のハロウィン当日、マイケルの妹が住むハドンフィールドで、後に“ブギーマン”と呼ばれる事となるマイケルによって惨劇が幕を開ける…

ハロウィン(ネタバレ・考察)

映画「ハロウィン」は撮影の秘話や工夫など、多彩なトリビアに彩られています。

この映画を観たことがない人が思わず観たくなる豆知識を用意しましたので、是非ご覧になってください!

実は低予算で作られた映画

今では世界三大ホラー映画の一つとも言われている「ハロウィン」ですが、初代ハロウィンは製作費が当時のレートで約4千万円とかなりの低予算で作られた映画となっています。

また、本作はスラッシャー・ホラーと銘打たれているものの、予算の都合で残酷な描写などが控えめになっていた映画です。

しかし公開された「ハロウィン」は全米で大ヒットを達成!アメリカ国内だけでも約75億円もの興行収入をあげた名映画となりました。

その大ヒットの背景には、当時ホラー系の映画のブームがあった事・当時の映画界では斬新な設定を使用・制作陣の高い映像技術等があったと言われています。

この「ハロウィン」の映画製作費はどれぐらい安い物だったのですか?
同じ時期に上映された「スターウォーズ」の製作費が約15億円なので、「ハロウィン」はとても低予算で作られた映画という事が分かるよ。

「ハロウィン」の監督、ジョン・カーペンターの出世作

ジョン・カーペンターは「遊星からの物体X」などの映画を世に送り出した、有名な監督として知られています。

そんな彼の出世作とも言える映画がこの「ハロウィン」です。

低予算かつ短期間で制作された映画である「ハロウィン」は、その高いクオリティを多くの人に評価をされてアメリカで大ヒット

この大ヒットによって、監督の名前は全米に広まる事となりました。

その後も彼は「ハロウィン」関連の映画を始めとして様々な映画に携わっており、今でも現役で活躍を続けている監督でもあります。

映画監督だけでなく作曲も出来る多彩さ

映画「ハロウィン」のメインテーマとも言える音楽であり、本映画の恐怖を増大させることに一役買っている「HALLOWEEN THEME」という曲があります。

この曲は映画「ハロウィン」の最新作でもアレンジを重ねながら使われている、「ハロウィン」に無くてはならない曲です。

そんなこの楽曲、実は今作の監督であるジョン・カーペンターによって作られた曲なのです!

彼は監督業だけでなく音楽制作も出来る人物で、「ハロウィン」のメインテーマ以外にも幾つものホラーの楽曲を生み出した人でもあります。

日本で知られ始めたのはつい最近?

海外ではトップクラスの人気を誇る殺人鬼であるブギーマンですが、日本では映画「ハロウィン」自体が近年まで知名度が高くなかったです。

リメイク版の映画も日本語吹き替えで上映をされたりしましたが、あまり話題に挙がる事が無いなど、あまりパッとした立ち位置でない映画でした。

そんな日本でも人気が出る事となった理由には、2016年に発売された殺人鬼と鬼ごっこをするゲーム「Dead by Daylight」が日本でも大きな流行をした為と言われています。

このゲームで殺人鬼の一人として登場を果たしたブギーマンは、原作を再現した特徴的な能力と、そのイカした見た目等によって一躍注目を集める事に!

その結果、ブギーマンはゲーム内で多くの人気を集めていき、それにつれて原作の映画「ハロウィン」にも注目が集まる事となりました。

ゲームがきっかけで映画が注目されるのは珍しいですね!
再現度も高く、ビジュアルもかっこ良いと思う人が多かったから、ゲーム内で行われた人気投票で一位を取るほどの人気を出したんだよ。

殺人鬼、「マイケル・マイヤーズ」について

ハロウィンを象徴する殺人鬼のブギーマンこと「マイケル・マイヤーズ」について紹介していきます。

肉親であるローリーを殺すために彼女を追いかけつつ、狙う道中で周りの人々を惨殺していく凶悪な殺人鬼です。

そんな彼について詳しく知る事で、この映画をもっと楽しむ事が出来る様になります。

ブギーマンの特異性

映画「ハロウィン」に登場する殺人鬼・ブギーマンは精神病の患者として病院に居ましたが、実は精神病ではなく良心が欠落し、善悪を判断できない心を持つという事がルーミス医師によって語られています。

その為彼は殺人に罪悪感などを一切覚える事が無く、作品を通して惨殺を繰り返していく、正に凶悪でサイコパスな人物と言えるでしょう!

また、6歳の頃から勉強や教育を一切受けていないにも関わらず、初めて見た車をすぐに運転出来るといった非常に高い学習能力も持っている事もあり、非常に知能も高い人物です。

他にも毎年ハロウィンの日にしか現れず、それ以外の日には所在が一切不明といった不気味な特異性を幾つも持つ殺人鬼がこのブギーマンとなっています。

ブギーマンの頑丈さ

ブギーマンの大きな特徴の一つとして、異常なまでの頑丈さ・不死性が挙げられます。

鋭利な物で首を刺されても平然としている頑丈さや、銃で殺したと思っても次のハロウィンには蘇るといった不死性を持ち合わせた不気味な存在です。

この頑丈さ・不死性をブギーマンは何故持っているのか、作中では一切語られていません。

ブギーマンの持つ不気味さをより強く感じさせる要因にもなっています。

ブギーマンの得意な武器

ホラー映画に出てくる殺人鬼は、それぞれが好みの武器を使って殺人を行う事が多いです。

例えば「エルム街の悪夢」のフレディはかぎ爪、「悪魔のいけにえ」のレザーフェイスはチェーンソーを主に使用して殺人を行います。

一方、ブギーマンは洋包丁を主に使っていますが、武器に特別なこだわりがあるのでは無く、斧や金槌・注射器や鎌といった様々な武器を使ったり、素手での殺人を行う事も…!

ブギーマンが洋包丁を主に使うのは彼が一番最初の殺人の時に使った武器で・入手がしやすく殺傷性の高い物であるからだと考えられています。

マイケルの過去の不透明さ

そんな凶悪な殺人鬼のブギーマンですが、過去に何があって現在の様になったのかは、別監督が描いたリメイク作品以外では濁されていて殆ど描写がされてないです。

元々はマイケル・マイヤーズと言う名前の少年であった事・6歳の時に姉を殺している事・長い間精神病院に収監されていた事等断片的な情報しか分かっていません。

どうしてマイケルからブギーマンに変わってしまったのか、何故妹であるローリーを付け狙い惨殺を繰り返していくのか、彼から読み取る事が出来ない物になっています。

その得体の知れなさも相まってブギーマンは今でも人々から広く知られている恐怖の殺人鬼と恐れられているのです。

ブギーマンによる圧倒的な被害者数

ブギーマンは初代「ハロウィン」の時点で一夜にして5人の人間を殺害しています。

彼は肉親や自身に関係がある人を付け狙う特性を持っていますが、たまたま居合わせた人もついでの様に惨殺する怖ろしい殺人鬼です。

最初は控えめな殺害数でしたが、作品を重ねるごとにどんどん人数が伸びていき、10作目の時点でなんと約100人以上の犠牲者が…!

この大量の殺害人数は世界中にあるホラー映画でも2位の殺害数で、ブギーマンの持つ危険性・異常性を強く表している物となっています。

ちなみに一位の殺人鬼は誰だったのですか?
「13日の金曜日」にでてくるジェイソンが一位で、累計で300人以上も殺害しているそうだよ。

本作のもう一人の主人公、サム・ルーミスについて

「ハロウィン」のもう一人の主人公として挙げられるのは、精神科医のサム・ルーミスだと言われています。

彼は幾度となくブギーマンの前に登場し、撃退を成功させてきた人物で、ヒロインの命を何回も救っている大活躍をした人です。

ルーミス医師のブギーマンとの関わり

彼は殺人鬼であるブギーマンを止める為に全力をかけている精神科医で、6歳の時の事件を起こした直後のブギーマンを診断して、その内に孕む狂気を病院内でただ一人見抜く事が出来た人です。

様々な対策を打つよう病院に対して提案したり、彼自身も15年に及ぶ治療を行っていましたが効果はなく、15年後にマイケルは肉親のローリーを殺す為に病院から脱走をしてしまいます。

そしてルーミス医師はその脱走したマイケルを追って、彼の凶行を止める為に全力を尽くすようになりました。

ブギーマンが現れるところにルーミス医師は何度も駆けつけて、その場にいる人を守る為に様々な物を駆使して彼を何度も撃退し続けています。

ルーミス医師とブギーマンは切っても切れない腐れ縁の様な関係であり、彼によるブギーマンの追跡は病気で亡くなる6作目まで行われる事に…

ルーミスのブギーマンに対する異常な執着

ところでルーミス医師は初代から病気で亡くなる6作目までずっとマイケルの事を追い続けていました。

その期間の長さはなんとマイケルが6歳の時から、38歳になるまでの32年間の間ずっと彼を監視し続けてきた人物であり、まさにブギーマンに人生をかけていた人であると言えます。

しかし命を懸けてまでブギーマンを止める義理がルーミス医師にある訳でも無く、ただその危険性を感じ取ったから行動をしていた正義感のとても強い人なのでしょうか。

その狂気的とも言える彼に対して執着をする理由は今になっても明かされていません

長く続いていく続編、初代のリメイクも

映画「ハロウィン」は全米を中心に非常に人気が出た映画であった為、数多くの続編が作成されました。

続編の「ハロウィン2~6」、「ハロウィンH20」、「ハロウィン レザレクション」や初代のリメイク「ハロウィン(2007)」「ハロウィン2(2009)」、初代の40年後が舞台の「ハロウィン(2018)」など非常に多くの映画が存在しています。

また、2021年には「ハロウィン(2018)」の続編である「ハロウィン・キルズ」が公開予定です。

余談ですが「ハロウィン(2018)」は今までのハロウィン2以降の作品からではなく、初代ハロウィンから派生して作られた続編なので、近年のハロウィンの映画を追いたい場合は初代を見れば大丈夫になっています。

ブギーマンとの関わりが全くないハロウィン3

映画「ハロウィン3」はハロウィンシリーズの映画の中で唯一、ブギーマンやルーミス医師らが全く関わらない作品として作られました。

これは映画「ハロウィン2」でブギーマンとの一応の決着をつけていた為ブギーマンの物語は終わった物として考えていた為です。

制作会社側としては、これからは「ハロウィン」という映画ブランドを使ったホラーのストーリーを作っていく方針にしたと語られています。

しかし映画「ハロウィン3」は映画の出来そのものは良かったですが、観客が求めている物はブギーマンであった為、人気はあまり伸びずに興行的に失敗した作品もになってしまいました。

それを見た制作会社は、映画「ハロウィン4」で死んだと思われていたブギーマンやルーミス医師らが、実は生き延びていた事が判明する展開に急シフト!

再び映画「ハロウィン」はブギーマンらに焦点をあてた物語へと戻っていきます。

それだけブギーマンの人気は高かったのですね!
この「ハロウィン」の主役は彼しかないという考えがファンの間では一般的だよ。

まとめ

「ハロウィン」の映画からネタバレ・考察や作品の裏話など紹介してきましたが、如何でしたでしょうか。

後に出る多くのホラー映画にも影響を与えてきた、正にホラーの原点とも言える映画です!

「ハロウィン」は1978年とかなり昔に上映された映画ですが、低予算ながら今見ても十分に楽しむ事が出来るホラー映画となっています。

ホラー映画が好きな人であれば、ホラーの歴史を感じる為にぜひ見て欲しい作品です!

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