
「フォレスト・ガンプ/一期一会」は1994年に公開されたアメリカ映画です。
主演はトム・ハンクスで、監督は「バック・トゥ・ザ・フューチャー」で一躍、有名映画監督となったロバート・ゼメキスが務めました。
知的障害を持つ一人の男性の、真っ直ぐで波乱万丈な人生を描いた、涙なしでは観られない感動作です。
映画「フォレスト・ガンプ/一期一会」よりネタバレ・考察、あらすじや作品のトリビアなど一気に紹介していきたいと思います!!
フォレスト・ガンプ/一期一会(1994年)
知能指数は他の人よりも劣っているものの、他の子供と同じように母親に育てられたフォレスト・ガンプ(トム・ハンクス)。
彼は小学校入学の日に、天使のように優しく美しい一人の少女ジェニー・カラン(ロビン・ライト)と運命的な出会いをする。
ジェニーはフォレスト・ガンプの初恋の相手となるのであった。
時は経ち、フォレスト・ガンプは俊足を買われてアメフト部の選手として大学に入学し、持ち前の足の速さでスター選手となる。
大学卒業後は軍隊に入り、ベトナム戦争で多くの仲間を助けた事で勲章を授かったり、除隊後はエビ漁の事業で大成功を収めるのであった。
大人になってからも初恋の相手であるジェニーを一途に想い続けるフォレスト・ガンプ。
しかし二人は運命のいたずらからなのか、再会と別れを繰り返すのであった…。
フォレスト・ガンプ/一期一会(ネタバレ・考察)
どんな映画にも必ず裏話やその作品に関するトリビアなどが存在します。
名作「フォレスト・ガンプ/一期一会」にはどんな隠された裏話が存在するのでしょうか?
フォレスト・ガンプ役には複数の俳優の候補があった!?
「フォレスト・ガンプ/一期一会」といえば、今やトム・ハンクスの代表作といえますが、主役のフォレスト役にはその他3人の俳優が候補として上がっていました。
その3人とはジョン・トラボルタ、ビル・マーレイ、チェビー・チェースという何とも豪華な俳優陣!!
最終的にトム・ハンクスが主役を演じ、この映画は大ヒットを収める事となりました。
ジョン・トラボルタは、この映画のヒットを受け、オファーを断った事を相当後悔し、悔しがったそうです。
しかし今や、トム・ハンクス以外の「フォレスト・ガンプ/一期一会」は考えられないというくらい、彼の演技はハマリ役でした。
他の俳優さんが演じていたら、いい意味で、また違った毛色の映画になっていたかもしれませんね!


実の子供が何と作品内に登場!!
作品の序盤で子供の頃のフォレストが、小学校のスクールバスに乗るシーンがあります。
そこで、フォレストは隣に座る事を次々に拒否されますが、そのうちの一人の少年はロバート・ゼメキス監督の実の子供なのです!
そして同じく隣に座る事を拒んだ赤い髪の毛の少女は、トム・ハンクスの娘さんなんだとか!!
意外なところで親子共演ですね!!
ちなみに、フォレストとジェニーの間に誕生した子供の小学生時代を演じたのは、後に映画「シックス・センス」で大ブレイクする事になるハーレイ・ジョエル・オスメントです。
意外なところに意外な人物!!
映画「フォレスト・ガンプ/一期一会」はたくさんの遊び心が詰まった名作といえます。


ランニングシーンにはモデルがいる!!
フォレスト・ガンプがアメリカ大陸を走って横断するシーンが作品内で出てきますが、これには実はモデルがいるんです!
1982年に当時16歳だったルイス・マイケルさんという方の友人が癌を患いました。
その友人との約束で、マイケルさんは60日かけてニュージャージーからサンフランシスコまでを走って横断したのだそうです。
その出来事をモチーフにこのシーンは作られました。
様々な事にただひたすら前向きに向かっていくフォレスト・ガンプ。
“走る”という事で人々の心を動かし、いつしかフォレストの後に続いて走り出す人々も登場しました。
自分の心に真っ直ぐなフォレストは知らず知らずのうちに、周りの人々の心に共感を生んだのです。


バッバ・ガンプ・シュリンプは何と実在するお店!!
映画内に登場する“バッバ・ガンプ・シュリンプ”が何と1996年に“ババ・ガンプ・シュリンプ・カンパニー”として開店しました。
アメリカには40店舗近くあり、何と日本支店も存在するのだとか!
日本支店は後楽園駅近くの東京店と、ららぽーと豊洲店、そして大阪店はユニバーサル・シティウォーク内にあります。
シーフードレストランという事で、フォレスト・ガンプやダン中尉にちなんだメニューもあるのだそうですよ。
ファンなら一度は行ってみたいお店ですね!!
フォレストがひたすら走った意味とは?
「フォレスト・ガンプ/一期一会」ではフォレストが“走る”という事がフィーチャリングされています。
その理由や意味とは何なのでしょう?
そこを考察していきましょう。
走る事がフォレストの人生そのものである
フォレストは子供の頃、背骨の歪曲から脚装具をつけて生活していました。
そんなフォレストはいじめの対象になってしまいますが、いじめっ子から逃げるうちに速く歩くどころか誰よりも走る事が得意になります。
そしてある時、アラバマ大学のアメフト部コーチは、フォレストの“走り”を見てその才能を見出します。
それからも“走る”事でフォレストの人生は構築されていくのです。
しかし、フォレスト自身はただ走っているだけで、特に自分の中で意味を見出そうとしてないところがこの映画のポイントといえます。
フォレストはただ自分の気持ちに正直なだけで、走る事で英雄になりたいとか、有名人になりたいとか、そんな気持ちは微塵もないのです。
ただ自分の身に起こる事を真っ直ぐに受け入れ、行動を起こしただけでした。
その純粋な気持ちが、フォレストの人生を色濃くし、かたどっていったのです。


ジェニーとの絆
「走って!フォレスト!!」というジェニーの言葉がフォレストが走り始めた大きなきっかけでした。
いじめっこから逃げる為に、ジェニーの言葉に従い走り始めたフォレスト。
フォレストが走る事にきっかけを与えてくれたのは他の誰でもない、ジェニーだったのです。
ジェニーはフォレストがその人生の中で、ただ唯一愛した人でした。
ジェニーが自分の元を去った時も、フォレストはただひたすら走り、ついにはアメリカ大陸を横断します。
フォレストがジェニーの為にできる事、それが“走る”という事だったのかもしれません。
そしてそれは二人の絆を繋ぐものであり、他の人には入る事のできない領域だったといえます。


劇中の名言
「人生はチョコレートの箱、開けてみるまで分からない」この言葉はフォレストの母親、ミセス・ガンプがフォレストに贈った言葉です。
この台詞は「アメリカ映画の名セリフベスト100」にも40位としてランクインしています。
確かにチョコレートは開けて、食べてみるまでその味や香りはわかりません。
苦い時もあれば、甘い時もあります。
これは人生における出来事や出会う人々にも通じるものがあるのではないでしょうか。
日本版のタイトル「フォレスト・ガンプ/一期一会」において、何故、「フォレスト・ガンプ」だけでなく「一期一会」というサブタイトルがついているのか。
「一期一会」は一生涯の中で、ただ一度出会うかどうかわからないほどの縁、という意味があります。
フォレストもその時出会った人を時に自分の命をかけてでも、守ろうとします。
「一期一会」というサブタイトルにはフォレストの生き方そのものが、映し出されているのです。
そして、フォレストの人生の中で体験できた貴重な出来事や出会いが、チョコレートの箱の中には詰まっているといえます。


作品から伝わるメッセージとは?
フォレストはその時与えられた状況に不平や不満を一切言いません。
そして、出会った人を心底大切にします。
その時出会えた人との“約束”を必ず実現させます。
置かれている状況に不平や不満を言わないとなると、ただのイエスマンのようですが、フォレストの場合は決してそうではありません。
彼はただひたすら真っ直ぐに与えられた事に“一生懸命取り組んだ”だけなのです。
そして出会いを大切にする事、人との約束を守る事、一人の人間として忘れてはいけない事に正直に真摯な姿勢で向き合いました。
フォレストは人としてあるべき姿の鏡のような人物です。
綺麗事ではなく、だからこそ「フォレスト・ガンプ/一期一会」というこの作品は多くの人に愛され、名作と呼ばれるのでしょう。
「フォレスト・ガンプ/一期一会」おすすめポイント
「フォレスト・ガンプ/一期一会」はとても心温まる作品です。
“泣く”にも色々な種類のものがありますが、感動の涙を流したい人にはとにかくおすすめといえます。
そして、この物語は親子の愛情、一人の人をひたすら思い続ける愛情、そして友情、様々な形で相手を想う気持ちに触れられる映画です。
観賞後、大切な人に無性に会いたくなるようなそんな映画となっています。
そしてフォレストが生涯の中でただ一人、ずっと愛し続けた女性、ジェニー。
彼女は病気で亡くなってしまいますが、ジェニーのお墓の前でフォレストが彼女に語りかけるシーンは、本作で一番のおすすめポイントといえます。
人を愛するという事がどういう事なのか、それを改めて教えてくれるような映画です。
まとめ
以上、「フォレスト・ガンプ/一期一会」から考察・ネタバレ、作品のあらすじやトリビアをご紹介してきましたが如何でしたでしょうか!?
この作品にはジョン・F・ケネディ大統領兄弟暗殺事件、ウォーターゲート事件、などアメリカの政治的な出来事も作品中に出てきます。
そういった政治的出来事に興味がある人にもおすすめできる映画です。
そして、ジョン・レノンなど歴史的に有名な人物が、最新のVFXでフォレストと会話をする!?というような驚きのシーンもあります。
まさに開けてみないとわからない、チョコレートの箱のような要素がたっぷり詰まった映画です。
人生のバイブルのような、といっても過言ではない多くの人に愛される名作中の名作となっています。