映画ネタバレ・考察デッドプール

「デッドプール」はマーベル・コミックスがリリースしているミュータントヒーローの1人で、2016年に映画化されました。

特別な身体能力をもつミュータントでありながら、出自の暗さを感じさせない明るくてひょうきんなキャラクターが特徴です

軽妙な口調とシモネタ、容赦ない殺人からマーベル映画初のR指定を受けましたが、そのブラックなジョークが人気を呼び世界中で大ヒットしたのです。

主演のライアン・レイノルズは過去にもアメコミ映画に出演していましたがヒットせず、「デッドプール」単体の映画になったときにようやく苦労が実り、人気者になりました。

「X-MEN」シリーズと世界観が繋がっているので、ちょっとした補足を加えながらおバカ映画「デッドプール」についてネタバレ考察していきますので、御覧ください。

デッドプール(2016)

ニューヨークでトラブルシューターとして暮らしていた傭兵のウェイドは、娼婦のヴァネッサと出会い交際を始める。

結婚の約束をするにまで至った二人だったが、ウェイドはある日突然意識を失い病院に運ばれ、検査の結果末期がんと診断される。

ウェイドは友人の経営する酒場でリクルーターの誘いに乗り、がんの治療と引き換えにミュータント遺伝子を活性化させる実験に参加する。

だがその内容はミュータント遺伝子の活性を誘発させるために苦痛を与えるという拷問だった。またミュータントになった実験体は超人奴隷として売られていた。

結果としてウェイドは驚異的な治癒能力を手に入れるが、全身が火傷に包まれたような醜い姿になってしまう。

スキを突いて脱出するも、ヴァネッサに受け入れられないと思ったウェイドは再会を避け、盲目の老人アルの家に居候する。

そして実験の首謀者であるフランシス/エイジャックスの残した言葉を頼りに元の姿へ戻るため、スーツと覆面をかぶり「デッドプール」としてフランシスの関係者を襲撃する…。

デッドプール(ネタバレ・考察)

「アベンジャーズ」「X-MEN」と並ぶ人気を誇るようになった「デッドプール」は様々なトリビアに彩られています。

映画の内外に繋がっている本作ならではの豆知識をお伝えしていきましょう。

デッドプールはハローキティ好き

「デッドプール」の冒頭でハローキティのリップクリームらしきものが写りますが、デッドプールはハローキティ好きを公言していることからのコラボなのです。

Twitterのデッドプール公式アカウントは海外版も日本版もフォローが1ですが、その唯一のフォロー先がハローキティという徹底ぶりをみせています。

ハローキティはDCコミックスのワンダーウーマンとコラボしてましたよね?
そのことでデッドプールのTwitterでは遺憾の意を表明する騒ぎになりました。

「96時間」と「ダーティー・ハリー5」のオマージュ

ウェイドが恋人のヴァネッサに向かって「娘を誘拐したらリーアム・ニーソンが追っかけてきて…」と言うシーンがありますが、これは映画「96時間」のことを指しています。

同作品ではリーアム・ニーソン扮する主人公が娘を誘拐され、奪還すべく悪党を殺しまくるのです。

一見、リーアム・ニーソンはマーベルとは無関係ですが、実は昔「ダーティハリー5」に出演したことから、名前が挙がりました。

「ダーティハリー5」の原題は「The Dead Pool」なので、タイトルつながりになるのです。

「ボルトロン」はアメリカのアニメ

ゲームセンターでデートするウェイドとヴァネッサが、チケット係に言っている「ボルトロンの指輪」とは、アメリカで放送されたアニメ「ボルトロン」に出てくるアイテムです。

日本のアニメ「百獣王ゴライオン」と「機甲艦隊ダイラガーVX」を改変してオリジナルのストーリーを付けて放映され、アメリカではかなり有名なアニメになります。

「ミニ ライオンボット5体が合体すれば…」とウェイドが言うのもボルトロンネタで、ウェイドがポップカルチャーに明るい事がわかるのです。

マーベルの大御所、スタン・リーがカメオ出演

マーベル・コミックスの映画を制作するときに総指揮を担当するのが名誉会長であるスタン・リーですが、マーベルの映画作品に出たがることで有名です。

「デッドプール」ではストリップクラブのDJとしてお客さんを盛り上げるシーンでその姿を確認できます。

ヴァネッサはミュータントになる?

デッドプールの彼女であるヴァネッサですが、関連作品である「X-MEN」に彼女と同名のミュータントが登場します。

コードネームはコピーキャット。他のミュータントの能力を遺伝子レベルでコピーすることができるのです。

映画では一般人として描かれていますが、今後続編が出たときにコピーキャットとして登場するのでは?とファンから期待されています。

マーベル・シネマティック・ユニバースにデッドプールが参戦?

マーベル・スタジオ代表でマーベルの映画を監修しているケヴィン・ファイギ氏は、デッドプール役のライアン・レイノルズと高額な契約を望んでいると伝えています。

現在最もギャラが高額なマーベル俳優クリス・ヘムズワースの7640万ドルですが、それを超える可能性が高いと見られているのです。

おそらく単体映画だけではなく、マーベル・シネマティック・ユニバースに参加するのではないでしょうか。

アベンジャーズのメンバーと絡むデッドプールはぜひ観てみたいですね!

デッドプールの誕生について

もともと特殊部隊出身のデッドプールは銃火器や刀の扱いに長けており、ミュータント実験によってヒーリング・ファクターも手に入れます。

高い不死性を持った傭兵として、人気を誇るデッドプールは本作の登場でようやく映画界に正式にデビューできたのです。

止まらないマシンガントークとアクションが売りのデッドプールについて掘り下げて語っていきましょう。

映画デビューは不遇だった

デッドプールの映画デビューは「ウルヴァリン: X-MEN ZERO」という「X-MEN」シリーズの前日譚で、ウルヴァリンを主人公にしたものでした。

この作品で改造されたミュータントとして登場したデッドプールは本作と同様にライアン・レイノルズが演じていますが、あくまでサブキャラクターだったのです。

しかも軽口がすぎるということで口を縫い合わされ、様々なミュータントの能力を埋め込まれた人造兵器ということで人気も出ませんでした。

ライアン・レイノルズはこのことに満足しておらず、「デッドプール」という単体作品の企画を温め続け、ついに公開までこぎつけたのです。

デッドプールが持つ”現実への干渉能力”

デッドプールが他のスーパーヒーローと決定的に違う点は、彼が「第四の壁」の存在を知っていることです。

「第四の壁」とは演劇用語で、虚構の世界と現実世界を遮る境界線を指します。例えば舞台であれば左右と奥の壁に加えて、観客席と舞台の間にあるのが第四の壁です。

デッドプールは自分が虚構のキャラクターであることを理解した上で観客に話しかけたり、カメラや音楽をいじったりと好き放題に第四の壁を破ります。

つまり「これはフィクションですよ」と宣言した上で、デッドプールを自由に暴れさせているのです。

これによってR指定相当のバイオレンス映画でありながらコミカルな雰囲気が出来上がり、X-MENシリーズの中でR指定にも関わらず最高の売上を見せたのです。

映画のスタッフロールのあとにデッドプールが喋りまくるのには笑いました!
「サミュエル・L・ジャクソンは出てこないぞ」というのはMCUに登場するニック・フューリーのことですね。

DCコミックスのキャラクターがモデル

アメリカの2大コミックスといえばマーベルとDCですが、デッドプールのモデルはDCコミックスの登場人物でした。

デスストロークという名前の暗殺者で、本名であるスレイド・ジョセフ・ウィルソンがデッドプールの本名であるウェイド・ウィルソンと類似しています。

これはデスストロークとデッドプールが遠縁の親戚であるかもしれない、という遊び心から付けられているのです。

武器の扱いに長けており、超回復能力があるところも共通しており、一見するとパクリかもと思わせる類似性があります。

ですがDCとマーベルはアクアマンとサブマリナー、キャットウーマンとブラックキャット、グリーンアローとホークアイといったようにお互いにアイデアを借り誕生させてきた歴史があるので、ファンもこれを喜んで受け入れているのです。

X-MENがデッドプールを追いかける理由

ミュータントチーム「X-MEN」のメンバーであるコロッサスとネガソニック・ティーンエイジ・ウォーヘッドが登場しますが、そもそもX-MENとはなにかわからないと困るかもしれません。

ミュータントとX-MENの説明をしつつ、なぜコロッサスがデッドプールを勧誘しているのかを解説していきましょう。

ミュータントのいる世界

ミュータントとは「突然変異」を表す言葉で、マーベルのコミック「X-MEN」によって世間に広まり、SFなどで使われるようになりました。

広義的には「特殊能力を持つ超人」と捉えて貰えればわかりやすいでしょう。

正確には先天的な能力保持者をミュータント、後天的に能力が発動したデッドプールなどはミューテイトと呼ばれます。

「デッドプール」の世界ではミュータントが一般市民とともに暮らしており、その能力を活かして活動しているのです。

ですがミュータントは基本的に人間から迫害される存在で、忌避されています。

そんな中で人間と共存を望むのがX-MENで、ミュータントの能力を悪用しているのがエイジャックスたちになります。

このようにミュータントといっても様々な勢力がいるので、ミュータントが気になった方は映画「X-MEN」シリーズを観てもいいかもしれません。

「デッドプール2」では一瞬だけX-MENのメンバーが一堂に会しているシーンが見られますよ。

コロッサスはなぜミュータントを探すのか

悪のミュータントも多くいますが、そういったミュータントを改心させ、X-MENに加入させるのがコロッサスの信念であり任務です。

コロッサスとともに行動するネガソニック・ティーンエイジ・ウォーヘッドはコロッサスの教え子にあたります。

X-MENは本当はもっと大掛かりな組織で、人数がいるはずなのですが、映画では予算の関係上かこの二人しか出てきません。

コロッサスがデッドプールを勧誘しているのは、彼の能力を正義に使ってほしいという願いと、むやみに悪人を殺すデッドプールのやり方をよく思っていないせいです。

ですがデッドプールは石頭のコロッサスを疎ましく思っており、自由気ままに戦う自分のスタイルを気に入っています。

なのでクライマックスでエイジャックスを許すよう説得したコロッサスを「話が長い」と切り捨て、デッドプールはエイジャックスを殺してしまうのです。

奔放なデッドプールらしいエンディングですが、X-MENに加入するデッドプールの姿は「デッドプール2」で観られるので、気になった方は鑑賞してください。

まとめ

デッドプールの誕生秘話を中心に綴られる復讐の物語ですが、ギャグ満載で観るものに笑いを提供してくれるアクション映画「デッドプール」。

原作のマーベル社も配給元のFOXもディズニー配下となり、他のマーベルヒーローとの絡みが期待できそうな展開になっており映画ファンとしては見逃せないキャラクターです。

よりパワーアップした続編「デッドプール2」と併せて観てみてはいかがでしょうか。

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