「ダンスウィズミー」は2019年8月16日に公開されました。
主演は今注目の、期待の若手女優・三吉彩花。
監督は「ウォーターボーイズ 」、「スウィングガールズ 」、「ハッピーフライト」などで一躍世間にその名を知らしめた矢口史靖です。
音楽を聴くと、歌って踊らずにはいられなくなるという催眠術にかかってしまった主人公が、催眠を解くために試行錯誤し、その中で新しい自分や生き方を見つけていくミュージカル・コメディとなっています。
斬新な設定で話題を集めた「ダンスウィズミー」から映画のネタバレ・考察、あらすじや作品の小話を一気に紹介していきたいと思います!!
ダンスウィズミー(2019年)
一流商社で働く勝ち組OL・鈴木静香(三吉彩花)は、幼い頃の嫌な思い出からミュージカルを毛嫌いしていた。
ある日姪っ子と訪れた遊園地で、怪しげな催眠術師・マーチン上田(宝田明)の催眠術をうける。
その催眠術とは“音楽を聴くと歌って踊らずにはいられなくなる”というもので、その日を境に静香は会社でも街中でもあらゆる音楽に反応し歌い踊る事になってしまう。
困った静香は催眠を解いてもらおうとマーチン上田の元を再び訪れるが、借金取りに追われる彼は既に行方をくらましていたのであった。
そんな中、マーチン上田の助手である斎藤千絵(やしろ優)と出会い、静香は催眠を解いてもらう為、日本中を駆け巡る事になる。
果たして静香の催眠は無事解けるのか…!?
ダンスウィズミー(ネタバレ・考察)
映画には面白い小話や裏話、トリビアなどが付きものです。
「ダンスウィズミー」にはどんなかくされた小話があるのでしょうか?
矢口監督に影響を与えたあの映画とは!?
矢口史靖監督は元々、ミュージカルが好きな時もあったり、嫌いな時もあったりとその振れ幅が大きい部分があったそうです。
登場人物が突然歌い出す事に「恥ずかしい」という抵抗感を感じていたとの事。
しかしそんな矢口監督にミュージカル映画を撮ってみようと決意させた作品があります。
それはあの有名なアメリカ映画「ラ・ラ・ランド」です!
この作品に触発されて、矢口監督はミュージカルが好きな人はもちろん、嫌いな人にこそ観てほしい!と思えるミュージカル映画を作ろうと決心したのだとか。
何故、急に歌い始め、踊り出すのかという疑問に答える映画を作りたい!との想いから矢口監督は「ダンスウィズミー」の製作に取り掛かりました。
矢口監督の熱い想いから映画「ダンスウィズミー」は誕生したわけです。
主人公を演じるのは期待の若手女優・三吉彩花!!
この映画で主役を演じるのはアイドルグループ・さくら学院の元メンバーである三吉彩花です。
応募者約500人という、矢口監督の作品史上最大級のオーディションの中から見事主役に大抜擢されました。
周りからは不安視する声も上がっていたそうですが、矢口監督は「三吉さんならできる」と彼女の才能を信じたそうです。
しかし、クランクインの2ヶ月前から歌や踊りを猛特訓した三吉彩花は極限状態まで追い込まれ、一時入院するという事態にもなりました。
そんな彼女を支えたのは、矢口監督の優しい言葉や気配り、そして何よりも共演者であるやしろ優や、ストリートミュージシャン役のchayの存在だったそうです。
撮影現場で意気投合した3人はプライベートでも会うなど、とても波長の合う友人となりました。
困難な撮影を、周りの人に支えられながら乗り切った三吉彩花。
今後の彼女の活躍に期待したいものです。
タマネギを丸かじりするシーンの秘話!!
マーチン上田の助手役・千絵を演じた、やしろ優。
彼女が映画内で生のタマネギを丸かじりするシーンがあります。
このシーンは、やしろ優に生のタマネギが甘く感じられるという本当の催眠術をかけ、撮影されたのだとか。
「甘い!甘いです!」と言ってムシャムシャとタマネギを食べる姿は決して無理をしているわけではなかったのです!
やしろ優の体当たり演技というわけではなく、彼女は本当にタマネギを甘いと思ってかじっていたのだとか。
催眠術の凄さを感じさせられる、マル秘エピソードといえます。
因みに催眠術師の十文字幻斎が本作の監修に関わっており、舞台挨拶では彼が観客に本物の催眠術をかけ、会場を湧かせたそうです。
何故、静香は催眠術にかかった?
静香はインチキ催眠術師のマーチン上田の手により奇妙な催眠術にかかってしまいます。
何故、静香は催眠状態に陥ったのでしょう?
そこを考察していきます。
過去の強いトラウマがあったから
静香は幼い頃にミュージカルの主役に大抜擢された事がありました。
しかし、あまりの緊張から吐いてしまい、散々な想いをした事があったのです。
その出来事は静香をミュージカル嫌いにする原因となりました。
過去の忘れたい出来事、過去の強いトラウマの反動から、静香は催眠術にかかってしまったのです。
大人になっても忘れられない過去の苦い経験。
ミュージカルに関してのトラウマを、大人になった現段階でも引きずっていた事から、その反動で静香はずばり催眠術にかかってしまったといえます。
偽りの自分から解放されたかったから
子供の頃の静香は、明るく社交的な性格でした。
しかし、子供の頃のミュージカル大失敗の出来事から、本来の自分の気持ちに蓋をするようになったのです。
その証拠に、一緒に催眠術を受けた姪っ子には催眠がかかりませんでした。
姪っ子には偽るものがない為、マーチン上田の催眠術が効かなかったのです。
人間は大人になればなるほど、本当の気持ちを隠して周りに合わせたり、自分の感情を押し殺さなければいけない場面にも多々遭遇します。
静香が催眠術にかかったのは、偽っている自分から解放されたかったからです。
自分の感情の解放の為に、静香には必要な出来事だったといえます。
指輪の意味とは何?
静香はマーチン上田に催眠術を受けた際、“真理の指輪”と呼ばれる奇妙な指輪を買わされます。
この指輪はただのおもちゃの指輪なのですが、マーチン上田曰く、身につけている人のオーラがわかるという不思議な指輪です。
映画の終盤で静香がつけている指輪が青から赤に変化するシーンがあります。
これは静香がマーチン上田に対して「変な催眠術にかけやがって!」という怒りの感情を表しているのです。
最後に静香の指輪が外れたのは、決して偶然ではなく、静香にはもうこの指輪は必要なくなったという事を表しています。
真理の指輪は静香の分身のようなもので、本来やりたかった事やこれからの目的を見つけた静香には必要がなくなった、という意味を持っているのです。
旅の果てに静香が見つけたものとは?
静香はマーチン上田の助手をしていた千絵と共に、催眠を解いてもらう為、マーチン上田を追いかけ、日本中を旅します。
千絵との長い旅路の果てに、静香が見つけたものとは一体何だったのでしょう?
大切な友人
静香と千絵は車で日本中を駆け巡ります。
その途中でストリートミュージシャンの洋子とも出会い、喧嘩もしますが、3人は一緒の時間を過ごすうちに唯一無二の友人となっていくのです。
会社での静香の友人関係は、上辺だけの付き合いでした。
そして、仕事面でも静香は無理をしていたのです。
静香にとって“人生はもっと自由でいいんだ!”と気付かせてくれたのが千絵と洋子の存在だったといえます。
特に静香と千絵は長い旅路の途中で、夢を語ったりとお互いにかけがえのない存在となっていくのです。
静香にとって、千絵は人生で生まれて初めてできた大切な“親友”といえます。
自分の夢を再確認した
静香は職場で憧れの先輩である村上から、自分のチームの一員として働いてほしいという誘いを受けていました。
しかし静香は、社員証を返し、千絵の夢であったダンススタジオへと向かいます。
静香は旅の果てに本当に自分がやりたかった事を見つけたのです。
それはダンスでした。
会社での煩わしい人間関係、自分の中ではついていけないと感じていた仕事、そういうものを捨て去って、静香は新しい人生を踏み出したのです。
自分にとって、大切なものは仕事でのキャリアなどではなく、自分の心に素直に生きる事だと静香は気付くのでした。
そうして静香は千絵と共にダンススタジオを開き第二の人生を歩み始める決意をしたのです。
「ダンスウィズミー」おすすめポイント
映画「ダンスウィズミー」はミュージカルとロードムービーが合わさったような作品です。
「映画としてまとまっていない」というような意見もあり、確かにその意見は共感できる部分があるといえます。
しかし、主役の三吉彩花の可愛らしさ、歌やダンスの上手さ、そこは大いに評価できるおすすめポイントです。
やしろ優もとてもダンスが上手く、三吉彩花とのコンビネーションが抜群にいい味を出しています。
そして何より、マーチン上田役の宝田明の美声がさすが大御所!といった感じで、この映画を盛り上げている一番の要注目ポイントです!!
役者陣の演技への熱い想いを感じられる、上質な映画といえます。
まとめ
以上、映画「ダンスウィズミー」のネタバレ・考察、あらすじや作品にまつわる小話を紹介してきましたが如何でしたでしょうか!?
三吉彩花が華麗に歌い踊るミュージカルシーンは、代役などなしで全部本人がやっているとの事で、まさに努力の賜物!といった感じの仕上がりとなっている作品です。
ポールダンスにテーブルクロス引き、シャンデリアにぶら下がって歌い踊るシーンなどなど見応え抜群の映画となっています!!
マーチン上田を追いかける探偵役で、人気俳優ムロツヨシも出ていますので、そこもお見逃しなく!
あなたのお気に入りの一本となる事間違いなしの映画です!!