「劇場版 コード・ブルー」は2018年7月27日に公開されました。
3rd seasonまでテレビドラマとして放送され、スペシャルドラマも制作されるなど若い世代を中心に人気を集めたドラマの、待望の劇場版となっています。
出演者はドラマ版と変わらず、山下智久、新垣結衣、戸田恵梨香、比嘉愛未、浅利陽介などの豪華メンバーを起用したことでも話題を集めました。
若きフライトドクターを中心に、フライトナース、後輩や指導医達とのエピソードを絡め、救急救命や災害医療に奮闘する人々の姿を描いた感動作です。
「劇場版 コード・ブルー」から作品に関するトリビアを交えながら、今作品が愛される理由、主要キャスト達の成長と絆をご紹介していきます!!
劇場版 コード・ブルー【ドクターヘリ緊急救命】(2018年)
見どころ
2008年の初回放送以来、多くのファンを生んできた大ヒットドラマの劇場版。未曽有の連続大事故が発生し、シリーズ最大のスケールの中で感涙必至の人間ドラマが展開する。
出典 : video.unext.jp
あらすじ
地下鉄トンネル崩落事故から3カ月後、旅立ちの時が迫る藍沢たち。その旅立ちが別れを意味することに気づきながらも、彼らは10年間を共にした互いへの想いを抱えたまま日々を過ごしていた。そんななか、未曽有の大事故が発生し、藍沢たちに出動要請が入る。
出典 : video.unext.jp
劇場版 コード・ブルー【ドクターヘリ緊急救命】(ネタバレ・考察)
医療というものをテーマに、それに関わる人間ドラマが色濃く描かれているのがこの作品の特徴です。
「劇場版 コード・ブルー」より、コード・ブルーの意味、登場人物の名前にまつわるエピソードなどをご紹介していきたいと思います!!
「コード・ブルー」の意味とは?
“コード・ブルー”とは容態が急変し、緊急での蘇生が必要な患者が発生したという意味を持っており、医師や看護師の間で使われる隠語です。
コードネームで知らせる事で、病院内における一般人などの混乱を招かないようにとの意図を持った言葉として使われています。
病院内の全館放送でこの“コード・ブルー”が流れた場合、手が空いている医師や看護師、担当に関わらず至急全員に集合してほしいとの意味を持っているのです。
場合によって、スタットコールやドクターコールと呼ぶ事もあります。
ただし、全ての病院でこの呼称が使われているわけではありません。
何故、ブルーなのかという由来については諸説あります。
- ブルーには<最優先事項>という意味があるから
- 医師たちが青い服を着ているから
- 青が気持ちを落ち着けて集中力を高める色だから
- 患者の顔色が青いから
などの説が挙げられます。他にもコード・レッド、コード・ホワイト、コード・グリーン、コード・イエロー、コード・ゴールド等の隠語が実際の病院内で使われているのだそうです。
登場人物達の名前には色が関係している!?
山下智久演じる藍沢耕作を始め、登場人物達の名前には色が関係しています。
これはファンの間では広く知れ渡っている事で、タイトルである「コード・ブルー」に因んでの事なのです。
藍沢耕作は青、白石恵は白、緋山美帆子は赤、藤川一男は紫という風にそれぞれのイメージカラーがあります。
青は冷静沈着でクール、白は真面目で正義感が強く純真、赤は情熱的で勝気、紫は藤色からきているもので、中間色であり協調性と柔和さを感じさせる、というようなものです。
そして、フライトナースである冴島はるかにも象牙色=アイボリーというイメージカラーが存在します。皆をまとめるしっかり者といったイメージでしょうか。
それぞれの性格を表しているようなこのイメージカラー。
制作陣の遊び心が垣間見えるエピソードですね!!
「コード・ブルー」のロケ地は!?
映画「コード・ブルー」の主なロケ地はテレビドラマシリーズでも登場した、千葉県印西市にある日本医科大学千葉北総病院が舞台となっています。
ドラマ版や映画版では翔陽大学附属北部病院と名前は変更されており、山下智久演じる藍沢がトロントに向かう当日の朝に、主要メンバーと集合写真を撮るシーンなど多くの場面がこの病院で撮影されました。
救命医師のユニフォームも日本医科大学千葉北総病院のものがモデルにされたとの情報もあります。
映画内の医療監修も同病院の救命救急センターが行っているとの事です。
その他のロケ地としては、千葉県の海ほたるや成田空港も撮影場所として選ばれました。
主題歌はミスチルの名曲!
「コード・ブルー」の主題歌といえば、テレビドラマシリーズの時から起用されているMr.Childrenの「HANABI」です。
この曲なしではこの作品は語れないというくらい、コード・ブルーファンの間では勿論、そうでない人にも浸透している楽曲かと思われます。
イントロを聴いただけで「あ!これコードブルーの曲だ!」と思わず反応してしまう程の魅力を持った曲です。
「HANABI」といえば「コード・ブルー」、「コード・ブルー」といえば「HANABI」というくらい、影響力を与えている名曲といえます。
「コード・ブルー」という作品が愛される理由
「コード・ブルー」は2008年放送のドラマ版1st seasonから2018年の劇場版まで10年もの月日を要して完結した作品です。
テレビドラマから始まり、映画に至るまでこのように長い歳月をかけた作品は、早々無いのではないでしょうか?
この「コード・ブルー」という作品が愛される理由を探っていきます。
登場人物の一人一人が主役である
この作品の良い点として、主役が一人と決まっているわけではなく、それぞれの登場人物に光があたっているという点が挙げられます。
主要キャストである山下智久、新垣結衣、戸田恵梨香、比嘉愛未、浅利陽介の他に3rd seasonから登場したキャスト陣まで、それぞれの人物の人生が丁寧に描かれているのです。
3rd seasonからの追加キャスト
- 有岡大貴
- 成田凌
- 新木優子
- 馬場ふみか
これだけの豪華メンバーを集めれば、ヒットするのは当たり前!と思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、「コード・ブルー」がヒットした理由はそこだけにはとどまりません。
いくらキャストが豪華でも話がつまらなければ、10年という長い月日をかけて追いかけるファンはいないでしょう。
この作品はただ医療の事だけを描いている物語ではありません。
一人一人の登場人物が医療というものを通じて葛藤、苦悩し、答えを見つけるまでの作品なのです。
そして、患者達の人生にも焦点が当てられているところがこの物語の魅力です。
基本はフライトドクター、フライトナースである主要キャストの成長を描いた作品となっています。
そして出てくる皆が主役であるというところに、観ている人は感情移入し、自分と近しい人物に共感を覚えるのです。
最初は医療ドラマ色が濃かった
実は「コード・ブルー」の脚本家は、ドラマ版の3rd seasonから交代となっているエピソードがあります。
テレビドラマ版の1st seasonと2nd seasonでは林宏司さんが脚本を執筆していました。
林さんの描く「コード・ブルー」は“医療”に重きが置かれており、他作品にはない本格的な医療ドラマ、というところが人気に繋がったといえます。
しかし、3rd seasonの制作が決まった時、これまで脚本を担当してきた林さんは多数の脚本依頼を抱えていたため、スケジュールが合わなかったとの事です。
しかも2nd seasonから3rd seasonまで7年の歳月が経っていたという事も一つの要因でした。
そこで脚本家のバトンタッチとなったわけです。
新しく恋愛要素が取り入れられた
安達奈緒子さんが起用されたのは「コード・ブルー」のプロデューサーの増本淳さんと親交が深かったからとの事が起用理由として挙げられています。
安達奈緒子さんは、恋愛モノを描かせたら抜群!と呼ばれる程、腕のある脚本家として有名です。
脚本家が交代した事で、ファンの間では賛否両論意見はありましたが、医療ドラマに恋愛要素を含ませる事で、この「コード・ブルー」という作品に新しいスパイスが加わりました。
浅利陽介演じる藤川一男と、比嘉愛未演じる冴島はるかの恋愛と結婚、戸田恵梨香演じる緋山美帆子とその恋人との恋愛模様が多様に描かれている事で、人間ドラマとしての深みが増しました。
劇場版では藤川とはるかのサプライズ結婚式もあり、涙なしでは観られない展開となっています。
主要キャスト5人の絆
10年という長い歳月を経て、5人の結束力や絆は確かなものへと変化していきます。
ドラマ版ではその未熟さから、意見の食い違いで多々衝突していた5人ですが、映画版では一人の医師として、看護師として、5人で立派に連携プレーをとりながら、命に向き合う姿勢が見られます。
映画の終盤で、藍沢が「俺達は家族のようなものだ」といった趣旨の台詞を言う場面はとても感動的です。
普段はクールな藍沢がこのような台詞を言うとは、彼が同期であるメンバーの事を心から信頼している証といえます。
救急救命という命を扱う過酷な現場で、主要キャストである5人は時に怒り、悲しみ、戸惑いながらも同じ時間を過ごす中でその絆を固く結んできました。
映画版で、5人がドクターヘリの前で写真を撮る場面があります。
この時の5人の笑顔が、今までの10年という歳月を共に歩んできた、という事を全て物語っているのです。
この先の未来、進むべき道は違っても、彼らは見えない絆で繋がっているといえます。
そして、その絆はどこにいても切れることはないのです。
因みに「コード・ブルー」の主要メンバーは、5人で飲み会をしたり、女性陣は女子会を開くなど、プライベートでも非常に仲がいいのだとか。
映画の舞台挨拶では浅利陽介のボケにツッコミ合ったり、あだ名でそれぞれを呼び合うなどのエピソードもありました。
「コード・ブルー」の一ファンとして何だかほっこりとする嬉しい話ですね!
「劇場版 コード・ブルー」のみどころポイント
「劇場版 コード・ブルー」では親子の関係、結婚、人生といったものが大きく描かれています。
特に“家族愛”というものが深く描写されていました。
新米フライトナースの、馬場ふみか演じる雪村双葉と、アルコール中毒者である母親の関係は“親子とは何か?”と考えさせられる貴重なエピソードです。
そして、海ほたるフェリー衝突事故現場で藍沢が双葉を庇って感電し、意識不明の重体となってしまうところは、映画内において見逃せない一番のポイントとなっています。
また、この海ほたるの事故で脳死判定をされた少年が、ドナーカードにサインをしていた事から、臓器提供をするシーンは、少年の両親の涙に、もらい泣きした人も多かったのではないでしょうか。
「コード・ブルー」を観た人の間では多くのエピソードを映画に詰め込み過ぎだといった意見もありました。
しかし、これだけのエピソードを入れて“命”というものに向き合い伝えようとした「劇場版 コード・ブルー」からはとても真摯な姿勢を感じます。
この映画に関わった全ての人の「コード・ブルー」への愛情を感じられる作品です。
まとめ
以上、「劇場版 コード・ブルー」より、作品にまつわる小話や、今作品の魅力をテレビドラマ版と交えながら紹介してきましたが、如何でしたでしょうか!?
この作品を観て、医療の仕事に就きたい!と思われた方も多いのではないでしょうか。
映画を観ただけではわからない!という方はぜひ、テレビドラマシリーズも観てみて下さい!
今のところ、キャストのスケジュールの都合などで続編の予定は無いようですが、いつの日かまた一回りも二回りも成長した彼らに会える事を切望!ですね!!