バクマン。

「バクマン。」は漫画「DEATH NOTE」で知名度を得た、大場つぐみ&小畑健コンビによる漫画の実写映画です。

漫画家になる事を夢見て二人の高校生が奮闘する、青春サクセスストーリーとなっています。

佐藤健と神木隆之介のw主演で、監督は「モテキ」などで一躍話題になった大根仁が務めました。

夢・友情・恋愛などたくさんの青春要素が詰まったこの映画「バクマン。」

今回は映画「バクマン。」のネタバレから考察、あらすじや裏話などをご紹介していきたいと思います!!

バクマン。(2015年)

高校生の真城最高(佐藤健)は高い画力を持ちながら、将来の夢も決められずに、ただ流されて生きていくだけの毎日をおくっていた。

ある日最高は、些細な事からクラスメイトの秀才・高木秋人(神木隆之介)から「俺と組んで漫画家にならないか?」と誘われる。

最高は、かつて売れっ子漫画家で今は亡き叔父(官藤官九郎)の死を引きずっており、はじめは秋人の誘いを拒絶するのであった。

しかし、最高は片思いの相手で、声優を目指すクラスメイトの亜豆美保(小松菜奈)とこんな約束をする。

「漫画家として、声優として、お互いの夢が実現したら、その時は結婚する」と。

この約束を果たす為に最高は秋人と共に漫画家への道を踏み出す事となるのであった。

待ち受けるライバル達、果たして二人は漫画界の頂点に立つ事ができるのか…!?

バクマン。(ネタバレ・考察)

映画の数だけその映画にまつわる面白い裏話や小話は必ずといっていいほど存在します

「バクマン。」の隠れた裏話にはどんなものがあるのでしょうか?

そこに迫っていきたいと思います!!

「バクマン。」は難産の作品!?

大根仁監督が「バクマン。」の話をプロデューサーから持ちかけられたのは、2011年映画「モテキ」の公開中に地方を回っている時でした。

脚本の書き直しは何と20稿以上!!

脚本が完成形に近付くまで何と2年もかかったという難産の作品だったわけです。

大根監督はこの作品を“ジャンプ”を代表する言葉「友情・努力・勝利」の物語にしようと考えていました。

そのテーマの通り「バクマン。」という映画は最高(あだ名:サイコー)と秋人(あだ名:シュージン)が漫画を通じてかけがえのない友情を育んでいきます。

そして高校生漫画家としてたゆまない努力をし、ライバルに勝利するわけです。

個性的な数々の登場人物、そして胸を打つ数々の台詞、「バクマン。」という作品は2年という歳月がかかった理由のわかる青春感動ストーリーとなっています。

着想2年…とは驚きですね!
大根監督がこの作品に如何に愛情を込めたかという事がわかるエピソードですね!

キャステイングが逆!?

2014年5月、主演二人のキャスティングが発表されました。

この時、SNS上などで「配役が逆ではないか?」などとツッコミの嵐が起きるという想定外の事態に見舞われます。

しかしこの波紋は大根監督の監督魂に逆に火をつけたのです。

絶対に「逆の逆だった!」と言わせて見せると、監督は俄然やる気が出たそうです。

そして、結果映画は大成功。

佐藤健演じるサイコーと神木隆之介演じるシュージンは唯一無二のコンビとなったのです!

漫画家達の頭の中をCGで表現!!

大根監督達は撮影前にリサーチを重ね、売れっ子の小畑健さんから新人まで10軒ほど作家さんの仕事場を見学したそうです。

大根監督は「やっている事は地味だけど、頭の中はすごい事になっている」という作家さんの言葉が印象に残ったのだとか。

作品の中で用いられているCGは、そういう環境の中で戦っている漫画家達の頭の中を表現したものなんだそうです。

染谷将太演じる天才漫画家・新妻エイジと、サイコ-&シュージンのコンビがペンを持って戦うシーンは本当に格好いいものがあります!!

漫画家さんの頭の中を一度覗いてみたいものですね!!

クライマックスの佐藤健の涙はアドリブ!!

過労で倒れてしまったサイコーが病院を無断で抜け出し、仕事場に戻るシーンでのエピソードです。

新妻エイジと対峙したサイコーの目から涙がこぼれ落ちるシーンがあります

あの涙は実はアドリブなんだそうです!!

サイコー役の佐藤健は撮影現場でも睡眠時間ギリギリ、疲労もMAXというサイコーと似たような状況にありました

そんな中、自分のライバルが現れて自分の大切な原稿に触りペンまで入れられてしまったら。

サイコーだったら悔しすぎて涙を流すだろう、という咄嗟の判断のシーンだったのだそうです。

結果オーライで、あのシーンは本当にグッとくるものがありました!!

涙を流すシーンではなかったという事ですよね?
そうです。佐藤健さんの俳優魂を感じる渾身の演技というわけですね。

最高と秋人が漫画に情熱を捧げられた理由とは?

サイコーとシュージンは学校の授業もそっちのけで、漫画を描くことにのめりこんでいきます。

何故、サイコーとシュージンはこんなにも漫画を描くという事に情熱を捧げられたのでしょう?

そこを考察していきます!!

人に恵まれた

サイコーとシュージンを支えたのは、やはり彼らの漫画を描く姿を一番近くで見ていた服部という編集者の存在が大きいでしょう。

山田孝之演じるこの服部というキャラクターには、ジャンプ編集部に実際のモデルが存在するのだそうですよ!

「漫画家と編集部が対立したら、編集者は常に漫画家の味方でいなくてはならない」というこの台詞は胸にグッとくるものがあります。

服部という最大の良き理解者に出会えたのも、サイコーとシュージンの漫画家人生を大きく変えたのです。

実際のモデルがいるなんてすごい話ですね!
服部さんという強い味方がいたから、サイコーとシュージンも強くたくましくなれたのですね。

最良の仲間に出会えた

サイコーが過労で倒れた時に、手塚賞を同時期に受賞した面々が、病院を抜け出して仕事場に戻ってきたサイコーの身を案じてやってきます。

サイコーとシュージンの漫画“この世は金と知恵”の巻頭カラーを何とか間に合わせる為に切磋琢磨する平丸、福田、中井、サイコー、シュージンの5人。

この時まさに5人の結束力は一つになるのです。

そして、漫画家同士の壁を越えて、サイコーとシュージンは最良の仲間を手に入れたのです。

ライバルの存在

サイコーとシュージンには同時期に高校生漫画家として活躍する、新妻エイジというどうしても超えたい存在がありました。

二人が漫画に没頭できた理由はやはりこの新妻エイジの存在が一番大きいといえます。

サイコーとシュージンがコツコツ努力型なら、新妻エイジはどんな困難も一人でやってのけてしまう天才型です。

正反対の立場ですが、エイジの存在があったからこそサイコーとシュージンは読者アンケートで1位をとれたといえます。

天才型…!新妻エイジは本当にすごい存在ですね!!
しかし逆に、サイコーとシュージンという存在も新妻エイジに良いライバルとしての影響を与えていたのでしょうね。

漫画が唯一の希望だった

サイコーとシュージンの仲を繋いでくれたのは漫画。仲間やライバルに出会わせてくれたのも漫画。

流されてしまいそうな毎日に、唯一希望を与えてくれたのが漫画という存在だったのです。

実際、漫画を書き始めてからの二人の毎日は色鉛筆で色を足したように彩りを持ったものになっていきます。

サイコーとシュージンが漫画に情熱を捧げられた理由は、無我夢中になって取り組める一つの“夢”に出会えたからです。

この作品の見どころポイント

この「バクマン。」という作品には数え切れないくらいの見どころポイントがあります。

その中でも筆者が気になった部分をピックアップしてご紹介していきたいと思います。

亜豆美保との約束

原作ではハッピーエンドを迎えるようですが、映画ではサイコーの病室を訪れた美保は両想いながらも夢の為、サイコーの元を去ります。

しかし、美保が「ずっと待ってるなんて無理。先に行ってるね。」という“この世は金と知恵”の中の台詞とシンクロさせたこのシーンは、決してバッドエンドという事ではないのです

「先に行って待ってるから、いつか絶対に約束を果たそうね」という誓いの台詞ととれます。

そして、“この世は金と知恵”の最後の台詞「ずっと待ってる」に全てがつながっているのです。

サイコーと美保は離れてもお互い交わした約束を果たす為に魂で繋がっているといえます。

魂で繋がっている…何ともロマンチックですね!
漫画とシンクロさせた台詞が、映画の登場人物の心情を何とも良く引き立てていましたね。

サイコーにとっての叔父の存在

川口たろうという名前で“パックマン”という漫画をヒットさせ、アニメ化にも至った経緯を持つサイコーの叔父。

サイコーの遊び場は叔父の仕事場でした。

漫画を描く叔父の姿を見て、サイコーもいつか漫画家になりたいと夢膨らませていたのです。

しかし連載打ち切りという悲劇、そして過労による叔父の死。

叔父の死はサイコーにとって暗い影を落とすものになりました。

しかし“漫画家”という職業を全うした叔父はサイコーにとってヒーローなのです。

自分が漫画家になる事で、サイコーはいつしか叔父を超え、叔父の死を無駄にせぬよう漫画を描き続けました。

サイコーもまた誰かのかけがえのないヒーローになるのです。

サイコーと編集長の関係

編集長の佐々木はサイコーの叔父のかつての編集者でした。

サイコーはそんな佐々木に複雑な感情を抱いています

そして佐々木もまた、漫画家を目指すサイコーを見て、言葉にできないような気持ちを抱いていました

過労で倒れた叔父を救えなかった佐々木。

だからこそ、佐々木はサイコーが同じような状況になった時、漫画を描く事にストップをかけたのです。

佐々木はクールに装っているように見えて、サイコーの叔父の死を誰よりも後悔していたといえます。

主題歌はあのサカナクション!!

「新宝島」という曲の題名は漫画界の巨匠・手塚おさむの漫画から名付けられました。

一時活動休止中だったサカナクションの復帰第1作目として、この曲は書き下ろされたのです。

そして、この「新宝島」に合わせて流れるエンドロールが、本当にお洒落で素敵で感動ものなのです!

エンドロールまでここまで凝るか!?というくらい演出が凝っていて、さすがは大根監督!といった感想を持ちます。

「新宝島」はサカナクションのボーカル・山田一郎が悩んで悩んだ末に絞り出した楽曲との事です。

その苦労あって、サカナクションはこの映画の劇中歌、そして「新宝島」において第39回日本アカデミー賞で最優秀音楽賞を受賞しました

まとめ

以上、「バクマン。」のネタバレ・考察からあらすじや裏話まで一気に紹介してきましたが如何でしたでしょうか!?

漫画家の苦悩や葛藤に焦点をあてた作品とあって、その一つ一つのエピソードに感動すること間違いなしの作品です!!

原作を読んで映画を楽しむのも良し、映画を観て原作を見直すのも良し。

サイコーとシュージンのように“夢”を持つっていいな!と純粋に思える映画です。

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