水中生物を従え睨みをきかせるアクアマン

「アクアマン」は2018年に公開されたSF・ファンタジー映画です。

DCコミックスに登場するヒーローたちが集う映画(DCEU)の「ジャスティス・リーグ」(2017年)で活躍したアクアマンをピックアップし、単独の主人公として映画化された作品となっています。

監督は「SAW(ソウ)」(2004年)で一躍名をあげ、後に「ワイルド・スピード SKY MISSION」(2015年)などを手掛けたジェームズ・ワン、主演はジェイソン・モモアが務めました。

本作は地上の征服を目論む海底帝国アトランティスの王、オームの野望を阻止するために立ち上がったアクアマン(アーサー)の活躍を描いた物語になっています。

「アクアマン」はヒーローものの王道を行くアクションだけでなく、見ごたえのある水中描写が特徴的な映画です。

また想像の産物である”海中”の世界を、幻想的でありつつリアルさも併せて表現していくことで「アクアマン」の映像化に成功します。

そして「アクアマン」は今までのDCコミックス作品はもちろん、DC原作作品すべての興行成績を塗り替えるほどの評価と人気を集めました。

そんな映画「アクアマン」の文化の違いから見えてくる世界観についてや、意外な作品群との関係などを紹介していきます。

アクアマン(2019年)

見どころ
重力に縛られない新体験の海中バトルや多彩な世界観を見せる海底世界など、迫力の映像表現にくぎづけ。戦う時もユーモアを忘れないアクアマンの快男児っぷりも魅力。
出典 : https://video.unext.jp

ストーリー
海の帝国・アトランティスの女王と人間の間に生まれ、海の全生物を味方にする力を持つアクアマン。彼の故郷であるアトランティスが突如地上征服を狙い、動き出す。海帝国ゼベルの王女・メラから世界の危機を知らされたアクアマンはやむなく立ち上がるが…。
出典 : https://video.unext.jp

アクアマン(ネタバレ・考察)

水中で神をなびかせるアクアマン
水中での激しいアクションシーンや幻想的な海中の描写などが見どころとなっている映画「アクアマン」。

そんな「アクアマン」の水中アクションシーンに隠されている撮影秘話や、原作との意外な違いといったトリビアを紹介していきます。

水中のような迫力満点のアクションシーンに注目!

映画「アクアマン」の大きな見どころとして挙げられるのは、水中で繰り広げられる豪快なアクションシーンです。

地上とは違う水中ならではの3Dで展開されていく濃密なアクションが見る人を魅了していきます。

そんな「アクアマン」ですが、実はほぼ全ての水中シーンが”ドライ・フォー・ウェット”と言われる、水を使わずに水中の描写をする方法で撮影されたのです。

地上にいながら水中の動きを再現するために、俳優を紐で上から吊り上げ、宙に浮いた状態でアクションして貰い映画を撮影していました。

そして水中で揺らめく髪の毛や口から出る泡などはCGで再現、他にもビジュアル・エフェクトやスタントマンなどを駆使して、登場人物たちが水中で動いているような映像に仕上がっています。

しかしドライ・フォー・ウェットは今までにない新しい撮影方法であったため、今回「アクアマン」に関わった人たちはとても苦労したそうです。

特に俳優陣は紐があちこちに付けられたこの撮影専用の衣装を身につけ、長時間吊るされた状態でさまざまなアクションをこなさなくてはいけませんでした。

DCEUでは珍しい明るく幻想的な海中にも注目!

「アクアマン」で描写される海中はファンタジー要素が多く含まれた幻想的な光景であり、とても美しく仕上がっています。

特に近未来的な建造物と海中の大自然が合わさって描かれた海底都市は、今までに見たことのない幻想的な風景です。

本来相容れないはずの水とマグマがアトランティスでは共存している描写もあり、細かいところに注目してみると面白い発見があるかもしれません。

また「アクアマン」はファンタジー色の強い海中描写を全面に出したことで、DCコミックス原作映画らしからぬ明るい作風に仕上がっているのも特徴です。

DCコミックスを原作とした映画はダークな描写とストーリーで構成されており、ファンからの人気は非常に高いものの、万人受けする映画ではありません。

DCEU作品も最初はダークな世界観をテーマとした映画を作っていましたが、近年では「シャザム!」(2019年)などコミカルな描写の多い作品が増えてきました。

「アクアマン」はその流れを強く受けた映画であり、王道で分かりやすい物語や、気疲れしずらい明るめの作風によってDCEUの中でも特に見やすい作品へと仕上がっています。

DCEU映画の方針変更で、最も良い影響を受けた映画が「アクアマン」だといえます。

「アクアマン」の主人公は人気がなかった!?

コミック版アクアマンが海遊している
出典 :DC Comics
映画「アクアマン」に登場する人物たちの多くは原作の姿を上手く再現して実写化されていますが、主人公のアクアマンとヴィランのオームだけは大きくビジュアルを変更されました。

原作コミックで活躍するアクアマンはハンサムで甘いマスクをした、黄金の鱗を鎧のように纏った金髪のイケメンです。

それに対して映画のアクアマンは、俳優のジェイソン・モモアが演じることもあり筋骨隆々で長い黒髪、フサフサのひげを生やしたワイルドで「海の漢」を彷彿とさせるビジュアルをしています。

アクアマンの見た目が変更された理由は、原作コミックの「アクアマン」というキャラクターがいまいち目立たなかったためです。

「アクアマン」がDCコミックスに登場した頃、バットマンやスーパーマンといったヒーローたちが活躍しています。

しかし魅力あふれる彼らと違ってアクアマンは金ピカの鱗を全身に纏ったシュールな姿であり、決して万人受けするキャラクターではありませんでした。

そのため映画化に伴って他のヒーローたちの魅力にも負けないワイルドな姿になり、海でも陸でも最強クラスの戦闘力を誇る新しい”アクアマン”が誕生したのです。

ちなみに変更される前の姿はヴィランであるオームが引き継いでおり、甘いフェイスでハンサムな金髪のイケメンだった原作のアクアマン要素はしっかりと続投しています。

ドラムを叩くタコはアクアマンの相棒!?

アクアマンに登場する人気キャラクタートッポ
出典 :DC Comics
主人公のアーサーは、海底の国と地上の戦争を止めるため、彼の弟でありアトランティスの王であるオームと決闘することになります。

そこではドラムのような物を使って激しく音楽を奏でる大ダコが登場しました。

そのタコは原作コミックスでアクアマンの相棒として活躍する「トポ」がモデルとなっています。

トポはアクアマンの戦闘を手助けしてくれる相棒であり、ピアノやギターを弾くことが趣味の大ダコです。

監督はトポが大のお気に入りキャラでありぜひとも映画の「アクアマン」でも活躍させたいと考えていました。

ただしトポという陽気なキャラクターはこの映画に合わず監督は登場させてもいいか不安に思っていたそうです。

しかし「マッドマックス 怒りのデス・ロード」(2015年)に登場した火炎放射付きのギターをかき鳴らす男を見てから雰囲気の異なるキャラクターでも映画に出演させてもいいという自信を持ちます。

つまりトポをモデルとした大ダコはマッドマックスの影響で「アクアマン」へ登場できるようになったのです。

あの大きなタコは原作だとすごい活躍をしていたのですね!
実はこの映画でも大きな活躍をする予定だったのですが、最終的に一場面だけでの出演へと収まってしまったそうですよ。

海底人の異文化について

映画アクアマンに登場する海中世界アトランティス
この映画には人間と海底人という2つの種族が登場しています。

しかし見た目はあまり変わりませんが、海で暮らす海底人は人間とは大きく異なる生態や文化を持っていました。

そんな文化などの違いから見えてくる、海底人たちの生態や特徴について考察していきます。

アクアマンの親から分かる海底人の異文化

アーサーの父、トムとアトランティスの女王、アトランナの出会いは国から逃げてきた彼女をトムが助けたことによって始まります。

アトランナを匿ったことでトムと彼女は次第に惹かれ合っていき、やがて二人の間にアーサーが生まれました。

異なる種族であるにもかかわらず子供を産めることから海底人は、人間と基本的な身体構造が変わらないと予想できますが、彼らの間には文化的な違いがいくつも存在しています。

まず、アトランナを始めとした海底人は水中で暮らしているため、電気というものを知りませんでした。

水中で電気を扱うのは非常に危険であるため、海底人の文化には取り入れられなかったのでしょう。

地上よりも遥かに進んだ文明を持っていながらも、彼女がテレビの映像に驚き矛を投げつけたのはそれが原因です。

また、衣服は魚の皮や鱗などから作られており、布を使った人間の服とは素材や構造が大きく異なっています。

海底人の衣服が人間から観て奇抜な格好に見えるのは、地上とは手に入る素材が違うことから生まれた新しい服の文化だったのです。

このようにトムとアトランナが交流を交わした時間だけであっても、文化が大きく違うことが見えてきました。

不便そうだけど意外と快適な海中生活

海底人たちは常に海中で暮らしているため炎や電気などを扱うことはできず、地上のような技術は生まれません。

しかし彼らはそのハンデを海底人特有の高い身体能力と、地上の文明を遥かに上回る独自の技術力で補っていました。

海底人は人間と違い非常に頑丈で身体能力も優れており、彼らは水を一蹴りするだけで圧倒的な速度で泳いだり、人間の力では武器を使っても傷一つ付かない頑丈な体です。

その頑丈な体であれば調理せずに食べ物を摂取しても問題は起きにくく、車のような移動手段がなくてもたいして困らないことが分かりました。

海底人が持っている移動手段の多くが攻撃や防衛することが目的となっており、普段から乗り物を使わなくても十分生活できると考えられるのです。

また、海の中を照らし続ける照明の存在や、水を莫大なエネルギーに変える技術があるため、電気に変わるエネルギー源が存在していることも分かります。

海底人の食文化がどんなものなのか気になりますね。
アトランナ元女王が金魚を丸ごと食べていたため、魚を生で食べる文化があることは分かっています。

海底人は地上で息ができるのか?

海底人は地上で呼吸ができないことが映画内の描写で判明しています。

これはメラに鎧を破壊された海底人の兵士が、空気がなくなったかのように苦しみ始めた描写から推測できました。

しかしアーサーや元王女のアトランナ、ヒロインのメラやオームといった登場人物たちはどういう訳か地上でも呼吸しています。

普通の海底人と彼らの間には、一体どのような違いがあるのでしょうか。

これに関しては海底人の成り立ちを調べていくと判明していきます。

昔の海底人は元々地上で暮らしていましたが、トライデントの持つ膨大なエネルギーを利用した結果、海中でも呼吸ができるようになったのです。

しかし彼らの住む国だったアトランティスが水没した後は地上で生活しなくなったため、陸で呼吸をするための機能が不要になりました。

そのため殆どの海底人は長い年月を経て、地上で呼吸するための機能が退化したのではと考えられます。

そして今では地上で暮らしていた海底人の遺伝子が濃く反映されている、古くから続く伝統的な血筋を持つ海底人のみ地上でも呼吸ができるのでしょう。

元王女のアトランナはもちろん、彼女の息子であるアーサーとオームも高い身分の血筋であり、メラもゼベル王国という国の王女であり、地上で呼吸ができる人たちは全員、高貴な家柄の出身だったのです。

デイビッドこと「ブラックマンタ」について

映画アクアマンに登場するヴィラン「ブラックマンタ」
「アクアマン」のサブヴィランとして活躍するデイビッドこと「ブラックマンタ」。

彼の着るアーマーの見た目は意見が分かれる所ですが、それでも人気の高いキャラクターの人です。

しかしデイビッドが作中で活躍を見せる裏には、多くの疑問が残されていました。

そんなブラックマンタにかかわる疑問を紹介・考察していきます。

秘匿されるアトランティスとデイビッドの関係

人間たちはほぼ全員がアトランティスの存在を信じておらず、アトランティスや海底人が存在すると常に語ってきた科学者は、異端者として学会から追放されるほどでした。

そんな長きに渡って秘匿されていた海底人たちとデイビッドが接点を持っていた理由とは一体何だったのでしょうか。

これは海を汚す人類を憎んでおり、地上の征服を目論むオームが、足がかりとして世界でも有名な海賊のデイビッドに仕事を依頼したためです。

仕事内容はオームとネレウス王が行う会合を地上の兵器で攻撃することであり、優柔不断なネレウス王を地上との開戦派に傾けさせるというオームの狙いが見えるものでした。

しかし依頼が完了した後も交流があったのか、アクアマンが地上に逃げた際、オームは再びデイビッドに接触を図ります。

自業自得ではあるもののアクアマンに父を見捨てられたデイビッドは彼に強い復讐心を持っており、オームも邪魔なアクアマンを始末するために地上で動ける優秀な手駒を探していました。

そしてオームは装備さえ強ければアイツに勝てると言いアトランティス製の最新装備と精鋭部隊をデイビッドへ譲り、彼にアクアマンの殺害を依頼します。

それに対してデイビッドは報酬に”アクアマンの命”を要求してこの仕事を引き受けました。

アトランティスでも最強の戦士と人々から称されるオームから腕を認められるデイビッドの強さは筋金入りで、その強さこそがアトランティスとの関係を保っていた要因なのです。

技術力はアトランティスよりもデイビッドの方が高い!?

デイビッドはオームから譲り受けたアトランティス製の装備を、自分の体にあった防具へと組み直してしまいます。

文化や技術が全く異なるアトランティスの装備を、デイビッドはどうやって構造を理解して作り変えたのでしょうか。

アーサーと張り合えるほど筋骨隆々とした体格のデイビッドですが、実は見た目に反して頭脳系のヴィランでもあったのです。

おそらく彼は部下となった海底人たちから装備の構造を聞き、中身を理解して自分好みの装備に作り直したのではと考えられます。

デイビッドに従う海底人たちはアトランティス国の中でもエリートな部隊であったため、アトランティス製の装備に詳しい人が居てもおかしくありません。

デイビッドは続編でメインヴィランになる?

装備を新調してブラックマンタとなったデイビッドはシチリアでアーサーとメラたちを待ち構えて襲いかかりますが、返り討ちに遭って行方不明になります。

しかしエンディング後に海の上を漂うデイビッドはアトランティスを信じ続けているシン博士に発見され、彼の手で助け出されました。

そしてデイビッドは自分を打ち破ったアクアマンに対してさらなる復讐を誓うところで物語が終わります。

ここから読み取れるのは、続編ではブラックマンタとシン博士がタッグを組んで活躍するということです。

今作ではサブヴィランだったブラックマンタが、次回作で博士ポジションのシン博士と協力してメインヴィランになるのではないかと考えられます。

重要な情報でなければエンディング後にわざわざデイビッドの生死を紹介する必要はないため、映画の本筋に大きくかかわる人物になるはずです。

アトランティスの存在を盲信し続けてきたシン博士と、アクアマンへの復讐しか考えていないデイビッド。

そんな二人がどのように関係を結びアクアマンと敵対するのか、これからの展開が楽しみになってきますね。

アクアマンたちが漁船に乗る意味とは?

海中生物からボートで逃げるアクアマンたち
シチリアでブラックマンタとその部下を辛くも撃退したアーサーとメラはトライデントがあると言われている海溝の国へと進路を進めます。

そこで彼らは泳いだほうが明らかに早いはずなのに、なぜか一般的な魚船で移動していました。

アーサーが先の戦いで大怪我を負っていたためかもしれませんが、一度陸で体を癒やしてから泳いでいったほうが早く着けたはずです。

考えられる理由としては敵の追跡から逃れるべく、一刻も早くシチリアを抜け出す必要があったからだと考えられます。

実は敵に居場所が把握されていたのは、メラが付けていたブレスレットに探知機が内蔵されていたためで、それに気づいたアーサーがブレスレットを捨てるよう告げました。

しかし探知機の反応が無くなったことは追跡する側にも当然分かるため、彼らはメラが消息を絶ったシチリアを中心に、しらみつぶしで彼らの捜索をするはずです。

だからこそ、アーサーが意識を失う大怪我を負っていたにもかかわらず、シチリアを無理にでも離れる必要がありました。

地上では海底人の優秀な移動手段も手に入らないため、メラは近くにあった漁船を無断で使ったのです。

ただし漁船にたまたま積んであった発煙筒が、彼らのピンチを脱する重要な鍵となっていたため、結果的に漁船を使っていなければ彼らは海に潜む怪物「トレンチ」に食べられていたことでしょう。

メラは勝手に船を持っていってしまったのですか!?
ここでは「船は公共のものである」という海底人特有の文化が見えてきますよ。

意外な神話との関連性

スノードームの下に置かれた小説「ダンウィッチの怪」
「アクアマン」の監督を務めるジェームズ・ワン監督は、ホラー作家のハワード・フィリップス・ラヴクラフトが生み出した「クトゥルフ神話」から大きな影響を受けていました。

クトゥルフ神話とはラヴクラフトが書いた小説群を元にした、架空の神話のことを指しています。

近年ではTVゲーム、アニメ、小説、映画といったさまざまな創作物にインスパイアされるようになるなど、知名度を少しずつ高めている神話です。

そんな「クトゥルフ神話」と映画「アクアマン」の関連性について紹介していきます。

小説・ダンウィッチの怪

映画の冒頭部分でトムとアトランナがくつろぐ場面でスノードームの下敷きとして登場する本の題名が、ラヴクラフトの書いた本「ダンウィッチの怪」でした。

この「ダンウィッチの怪」という本の内容は「人間と異種族の子供」がテーマです。

「アクアマン」は人間と海底人の子供が主人公の映画で、クトゥルフ神話に影響を受けた監督は意図的にこの本を映画に忍ばせたことが考えられます。

アクアマンのライバル・ブラックマンタ

本作のサブヴィラン、デイビッドはアクアマンの前に現れる際「Loathsomeness waits and dreams in the deep, and decay spreads over the tottering cities of men.」という言葉をアクアマンに言います。

日本語に翻訳すると「邪悪さは深淵で待ち、夢を見る。そして崩壊は人間のよろめく都市に広がっていく。」というものであり、海底から現れる恐怖の存在について述べたものです。

実はこの一文がラヴクラフトの小説「クトゥルフの呼び声」から引用された一節であり、ブラックマンタにラヴクラフトの小説を引用させたのはなにか監督の意図があったのではと考えられます。

今回海から現れたのはブラックマンタでしたが、クトゥルフ神話で海から現れる恐怖といえば偉大なる「クトゥルフ」とその眷属たちであるため、彼をクトゥルフの手先だと捉えることもできますね。

海に潜む怪物・トレンチ

トライデントが眠ると言われている海溝の国で暮らす凶悪な見た目をした魚人、トレンチです。

トレンチは「大アマゾンの半魚人」(1954年)に登場する半魚人を参考にしたと監督が語っていますが、クトゥルフ神話に登場する神話生物「深きものども」にも似た要素が取り入れられていました。

深きものどもとトレンチは人間と魚類を組み合わせたような恐ろしい見た目、殺傷力を強めるように発達した腕、炎や光が苦手といった共通点が見られます。

また、トレンチが大量に襲いかかってくる場面はホラー映画のように描かれており、ホラー作品であるクトゥルフ神話との繋がりを感じられるのです。

余談ですが、トレンチを題材としたスピンオフ映画「ザ・トレンチ」が作られる予定でしたが、残念ながら計画が白紙になってしまいました。

恐怖を色濃く描いたモンスター・ホラー映画になる予定だったそうなので、残念に思った方も多いのではないでしょうか。

トライデントの守り主・カラゼン

伝説の矛、トライデントを守る巨大な怪物「カラゼン」はクトゥルフ神話に登場する神「クトゥルフ」とよく似た姿をしていました。

さまざまな海洋生物が組み合わさった見た目や、海底に潜む伝説的な存在であることが偉大なる「クトゥルフ」と共通しています。

しかしアーサーが王として認められ、トライデントを手にした後は彼に従っており、最終決戦ではアーサー側の大きな戦力として活躍しました。

カラゼンの凄さに圧倒されがちですが、例え神の如く強大な存在であっても従えてしまう、アクアマンが手にしたトライデントが持つ影響力の強さも見逃すことはできません。

本当にさまざまなクトゥルフ神話の要素が映画に取り入れられているのですね!
クトゥルフ神話が持つ影響力の高さと、映画を彩る要素としての優秀さが分かるエピソードです。

まとめ

映画「アクアマン」は大迫力の水中アクションシーンや、CGなどを駆使した水の描写などが見どころの作品になっています。

この映画の地上で撮影されたとは全く想像もつかない見事な水中描写に初見の人は驚かされること間違いなしです。

そして2022年には続編の「アクアマン2」が上映される予定であり、これからも盛り上がり続ける作品になっています。

本作から続編にかけてどう物語が動いていくのかも注目すべきポイントでしょう。

そんな映画「アクアマン」は今までにない形のアクションを楽しみたい方や、王道で見ごたえのあるストーリーを楽しみたい方にぜひとも観てほしい作品です。

また、「ジャスティス・リーグ」などからDCEU作品に興味を持った人が初めて観る映画としてもおすすめできます。

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